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裏千家淡交会大連同好会田所ゆう美


   大連は三方を海に囲まれた遼東半島の先端近くに位置する中国有数の湾岸都市です。19世紀末の帝政ロシア時代の影響を受けた重厚な建築物が市街地に点在し、エキゾチックな雰囲気漂う街並みにはアカシア並木もあり、その美しさから「アカシアの大連」としても知られています。
  茶道裏千家淡交会大連同好会は1997年に発会致しました。当地には2005年から駐在講師が常駐されるようになり、現在は週に2日、稽古を行っています。会員は市内の大学生や大学講師、一般企業に勤める中国人のほか、日系企業で働く若い日本人女性も増えて参りました。また、日本関係機関・企業の駐在員夫人という立場の方も多いです。
  大連は中国全土の中でも日本語学習者が一番多い都市です。日本語を学ぶ中国大学生の新入生歓迎会での呈茶、日本語学科生のための茶道体験、中日文化交流会での茶道デモンストレーションなどで中国の方々に日本文化としての茶道を紹介しています。また、大連日本人学校で日本文化理解クラブに所属する児童・生徒さんに茶道を紹介し、体験を通して海外から改めて日本の文化を見つめるお手伝いもさせて頂いています。
  2007年、当会は設立10周年を迎えることができ、4月には鵬雲斎大宗匠ご臨席のもと記念茶会を開催することができました。発会当初からご宗家の皆様にはご高配を賜り、また地元中国側関係者各位のご理解、ご協力、駐在講師の先生方や数多くの先輩方のご尽力の上に今日の活動が成り立っていることを改めて感じ、会員一同深く感謝した次第です。
  日頃の稽古や茶会で、民族を越えた心温まるふれあいを感じる場を得る度に、大宗匠の「一碗からピースフルネスを」の理念のもと、精進を重ね、微力ながら中日友好の更なる促進のためのお手伝いをしたいという想いを強くしております。

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