戻る
裏千家淡交会 香港協会 幹事長 齋藤宗幸

   香港は東アジア金融の中心地の一つとして様々な国からの人々を受け入れ、日々忙しくダイナミックに変化を続ける国際都市です。昔ながらの中国の生活習慣も色濃く残しつつ、異なる国々の考え方や文化が混在しています。日本との交流も1970年代から盛んになり、近年では日本の伝統文化を実践しながら学ぼうという傾向が顕著になってきています。
  香港協会は2010年に創立13年目を迎え、周亦卿会長の下、会員数は60名を超えました。ここ数年は男性会員も増えて、活動の幅が広がってきています。茶道の普及と文化交流を目的とした茶道デモンストレーションの依頼も増えており、様々な地域や団体との交流を盛んにしています。
  現地の会員が主導的にデモンストレーションの役を担うことで、茶道がより当地に根付くように努めています。多くの参加者が、点前や茶道の精神性など様々な方面から興味を持たれ、改めて現地の方々の茶道に対する意識の高さを実感すると共に、私たち会員にとっても新鮮な刺激になっています。
  もちろん稽古にも力を入れており、毎年、天津から駐在講師にお越し頂き、年2回、風炉と炉の講習会を開催しています。点前の稽古のみならず、基礎の大切さを忘れないように、毎回必ず割り稽古や足運びの復習にも心掛けています。その甲斐あって昨年は当協会発足以来初めて、香港人会員が茶名を拝受することができました。
  今後も、「一碗からピースフルネスを」の思いを持って、香港の地に茶道を根付かせるため、より一層の努力を重ねていく所存です。


戻る