裏千家淡交会シンガポール協会 中林宗直

    裏千家淡交会シンガポール協会は、1991年シンガポール政府の認可を受け、渡水宗由先生を幹事長として発足致しました。17年間の歩みの中で、鵬雲斎大宗匠(当時御家元)には1992年、1995年、2001年とシンガポールにご訪問いただき、そのご講演は在住の日本人ばかりに留まらず、現地の人々にも感動を与えました。
  私たちは、シンガポールでの茶道の普及活動に力を入れ、特に現地の学校、日本語学校へ通う学生は協会お茶室での茶会やワークショップを楽しみにしてくれています。また2006年、日本との国交樹立40周年には記念の茶会を行ったり、大使館の後援で日本人会館でのチャリテイー茶会を催したりと、積極的に活動しております。
  2008年には、協会の活動の場となっているビルが改築されるのに伴い、大宗匠、坐忘斎お家元の温かいご理解とご支援のもと、茶室も新築されました。限られた時間の中で、襖や建具の製作をお願いしたにも拘わらず、表具屋さんは地袋の襖にシンガポール国花である蘭を描いたり、縁起の良い色調を選んで下さるなど、心ある配慮を頂きました。現地の大工さんは、茶室を造るのはもちろん初めてのことで、やり直して頂くこともたくさんありましたが、誠意と熱意をもって建築にあたって下さり、めでたく立派な茶室が完成いたしました。
  さらにおめでたいことに、シンガポール協会会長のフレディ・アン氏が、日本文化普及への貢献を認められ日本から外務大臣表彰を受けられました。
  これらを糧に、今後も幅広い活動を目指し、茶道の普及に精進して参りたいと存じます。
 大宗匠、お家元をはじめ、茶室建築に関わって下さった皆様に協会会員一同、心より御礼申し上げます。

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