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裏千家淡交会オーストリア協会 会長 ペーター・シェンドル


  オーストリアの首都・ウィーンは、モーツァルトやベートーヴェンらが活躍した音楽の都としても知られ、多数の文化財を納める美術館や史跡をもった、文化の宝庫です。また雄大な山々、湖など美しい光景が広がる自然豊かな都市でもあります。
  1994年に、ドイツのミュンヘンにある裏千家寄贈の茶室でデュッセルドルフの駐在講師による出張指導のお稽古が始まりました。以降、イタリアのローマからはドイツ、スイス、ベルギーに、そしてイギリスからはアイルランドにと、駐在講師が赴いて定期的な茶道セミナーが行われ、ヨーロッパ全土で茶の湯が広がりを見せています。2003年にはウィーンへ鵬雲斎大宗匠がお越し下さり、2006年にローマで開催された「裏千家ヨーロッパのつどい」には、オーストリアから私達も参加させていただくなど、当地においても茶道との縁が深まって参りました。
  このような中、野尻宗命ローマ駐在講師が行っている聖オッティリエン修道院(ドイツ南部)での茶道セミナーをオーストリアの社中も受講し、当地にも茶道を真剣に学ぶ人が増えてきました。そして昨年、淡交会オーストリア協会が設立の承認を受け、発会式が催されました。この機会に、私とレイマン・ンゴ副会長、会員のイング・トーマス・ハーセンバーガー氏は、野尻先生と共にウィーンの日本国大使館を訪問、田中映男駐オーストリア日本国特命全権大使の歓迎を受けました。ご自身でも茶を嗜まれ、茶道に深く関心をおもちの大使は、当会の名誉顧問に就任していただくことになりました。
  これからも、茶の心をこの地に広めるため、定期的なお稽古を続けて参ります。また2009年は日本とオーストリアの国交樹立140周年にあたり、両国の文化交流のためにも、一層精進したいと思います。

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