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裏千家淡交会クラクフ洗心協会 幹事長 宮永匡和


   淡交会クラクフ洗心協会はポーランド南部の古都クラクフのマンガセンター(日本美術・技術センター)を拠点にしています。お茶室「洗心庵」はセンターの庭園にあり、お茶会や稽古に使っています。2008年現在会員数は50名。先生は山口宗悦名誉師範で、年に2回、7月と11月に日本よりはるばるクラクフに来られてお茶会を開き、お茶のご指導をしてくださいます。また普段は、京都の裏千家みどり会でお茶を学んだポーランド人会員2名を中心に、定期的にお稽古を続けています。
  クラクフ洗心協会は2007年6月22日に設立されました。マンガセンターで開かれた発会式は、鵬雲斎大宗匠をはじめ裏千家の皆様をお迎えして、映画監督のアンジェイ・ワイダ会長他、洗心協会の顧問の方々も同席のもと盛大に執り行われました。発会式前日の21日にはクラクフの旧市街地中央広場にある、ポーランドで最も格式の高い聖マリア教会で、鵬雲斎大宗匠による献茶式が、フィデルス司教主宰のミサと共に執り行われ、皆で平和を祈りました。
  クラクフに洗心協会ができた経緯は、1975年、ポーランドがまだ社会主義体制の頃、当時クラクフに駐在していたご主人について山口先生がこの街を訪れたことに始まります。先生は、お茶道具を持って、街の高校や大学、劇場などでほぼ一年おきにお茶のデモンストレーションをされていました。そして1994年、ワイダ監督がクラクフにマンガセンターを設立し、その開館記念式典で山口先生がデモンストレーションをしてからは、先生は毎年クラクフを訪れ、お茶会を開き、お稽古をしてくださいます。ですから、クラクフ洗心協会は30年以上にもわたる山口先生のご尽力の賜物であるとも言えるのです。


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