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裏千家淡交会南フロリダ協会 メッサースミス・洋子


  マイアミ市は大西洋に面し、夏は暑く、冬は暖かい気候で、ブーゲンビリアやハイビスカス、蘭などは年中咲いています。中南米からの移民が人口の多くを占め、日本人の少ないマイアミでは、日本への関心はあまり高くありません。このような地で茶道を広く知ってもらうため、私達は学校で茶道の授業を持てるよう努力を続けており、特に歴史や宗教、哲学、美術工芸、建築造園等、日本文化の要素を全て含む茶道を、大学のような高等教育機関で総合的に学んでもらいたいというのが、私達の長年の念願でした。


  2002年に、私は博士号を取得し、州立のフロリダ国際大学(FIU)で茶道を正規の授業として受け持つようになりました。週に一度、3時間の授業があり、点前の稽古や特別授業として茶碗造り体験などを行っております。大学にお茶室がないため、毎回教室に畳を敷いて臨時茶室を造り、5名1組でお点前の稽古。学生の中にはどこからか探してきた浴衣を着て来る人もいれば、時には手作りのお菓子を持参する人もいます。年々受講生は増え、中には当協会に入会する学生もいて、茶の湯の輪が確実に広がっているのを感じます。


  また、FIUは京都の立命館大学、大阪の関西外国語大学と提携しており、毎年交換留学が行われます。インターネットを通じて日本に留学中の学生と日本留学の経験がある学生が情報交換を行い、帰国してからも日本との関わりを継続すべく活動しています。
  現在は、同校の交換留学生が日本滞在中に、今日庵を訪問する程度ですが、近い将来にはFIU茶道クラスの人数が増え、その中から裏千家学園外国人研修コース(みどり会)で修道する学生が出てくる日を夢見ております。

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