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裏千家淡交会 メルボルン協会 幹事長 木下宗寿

  メルボルンはヴィクトリア州の州都でオーストラリア第2の都市です。当協会は会員数約40名の小さな協会です。当地では、茶道は日本を代表する文化であるという認識が高く、役所や大学などで日本を紹介する行事が催される度に、茶会の依頼が舞い込みます。さらに、メルボルン市は大阪市と、ホワイトホース市は松戸市と、またヴィクトリア州は愛知県と姉妹都市の関係にあり、定期的に記念行事が行われ、協会でも釜を懸けています。
  大きな行事の場合は協会員が総動員で対応しています。昨年度はナショナルギャラリーと領事館と当協会の協賛ということで釜を懸け、新聞にも大きく報道されました。また、シドニー協会やブリスベン連絡所の活動にも協力をさせていただいております。
  当地は乾いた気候と、激しい寒暖の差のため、茶会の準備には日本にはない苦労があります。また日本語を学習中の生徒の皆様にお茶を知っていただくには、日本の文化や歴史、生活様式に関する背景の説明が必要な場合もあります。これらの課題も行事を重ねていくにつれ、次第に乗り越えられるようになってきました。
  会員にとって幸運なことは、ポリーン・ギャンデル会長のご邸宅でお茶会をさせていただけるということでしょう。前会長、現会長ともに素晴らしい邸宅をお茶会のために開放してくださることは、まことに感謝の念に堪えません。これらの茶会では、会員以外の皆様もお招きし、楽しんでいただいております。
  日本からの留学生や、短期在豪の方々が協会メンバーとなっているため、会員の変動は大きいですが、1991年の発足以来、会員数は順調に増加しています。茶道の普及活動に励みつつ、楽しみながらも修道に勤しむ毎日ですが、当協会の活動状況を振り返ってみますと、地域に根付いた活動がいかに大切かということを、改めて実感しています。


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