裏千家インターナショナル・アソシエーション(UIA)2006年度研修旅行報告
2006年5月20日〜27日



 2006年度のUIAの研修旅行は、「裏千家ヨーロッパのつどい」に参加するローマへの旅でした。この度は、50名の会員が参加いたしました。

 総本部からの行事便りに詳報が掲載されていますので、ここでは記念茶会のUIAが担当させて頂いた日本席についてのみのご報告とさせていただきます。


 5月23日(水)
 午後、幹事と、各班のリーダー(今回4班に分かれて茶席を進行いたしました)とで、会場のローマ日本文化会館を下見に訪れました。倉斗業躰、白波瀬業躰のご指導・ご助言のもと、最終打ち合わせをいたしました。

 業躰先生方が既に大部分設営を終えてくださった後でしたので、スムーズに作業は終わりました。


 5月24日(木)
 いよいよ茶会当日です。ローマ日本文化会館の吹き抜けの階段(源氏香の意匠のパーテイションが風雅です)を上がった2Fのホールが、UIA日本席の待合です。


待合でお菓子を赤と緑の銘々箱にセットベランダに設営されたお水屋(お天気に恵まれ、木々の中を吹き抜けてくる風が涼やかです)では、手際よく準備が進んでゆきます。


お菓子を並べて受付完成待合でお客さまにお菓子をお渡ししています


 今回は、お茶会のテーマを「古今」に決定し、テーマに添ってお道具が集められました。ヨーロッパの協会からも お道具の協力を得て、また、会員の、石田、桂、川鍋、染山、田村、花木、山本(五十音順)が心入れのお道具を全国各地から持参いたしました。
 


「萬年井」は、絶え間なく井戸の水が湧き出ているという意味で、まさにこの茶会のテーマにぴったりです。


点茶盤の点前道具


風情ある香合です煙草盆


「裏千家ヨーロッパのつどい」日本席(UIA担当)会記


 今回は、4班が順番に点前と水屋を担当し、席主(解説)は、運営幹事三人(小林・田村・望月)が担当いたしました。
 お客さまにあわせて、日本語・英語・イタリア語・フランス語・ドイツ語などを交えながらの解説で、沢山のお客さまから「感動した」「よかった」とのお声が寄せられ、会員皆感激いたしました。


世界各国からのお客様が、「古今」の世界を味わってくださる。その喜びがお席を包みます


鵬雲斎大宗匠さま、桜井宗幸さまをお迎えして、一同またまた感激です


無事に茶会が終了し、片付けも終わって、最後に全員で記念撮影です


 今回の研修旅行では、お茶というご縁で結ばれた世界各国の方々と出会い、会員それぞれが、新鮮な角度からお茶の多層的な奥深さを学ぶことができました。また、ローマという、ヨーロッパの文化と伝統の起源とも言うべき古都で、外から日本を眺めることで、お茶を通じて改めて日本の文化や伝統について考え直すきっかけにもなりました。
 欧州布教50周年という、大宗匠さまの先見の明、その道のりの偉大さ、お心の深さ、そしてまた野尻先生(ローマ出張所駐在講師)をはじめ諸先生がたが人生を賭けてヨーロッパの地にお茶を根付かせていらっしゃること、一人ひとりが感激をしっかりと胸に刻みました。
 このような素晴らしい研修の機会を授けてくださいました大宗匠さまに心からの感謝を申し上げますとともに、今日庵業躰部の先生方、淡交会総本部の皆々さまに、深く御礼を申し上げます。


(文責:葛原由起)