裏千家インターナショナル・アソシエーション

25周年記念総会開催




  11月26日(土)、国立京都国際会館(京都市左京区)において、千 玄室大宗匠出席のもと、裏千家インターナショナル・アソシエーション(UIA)の設立25周年の記念総会・茶会が開催され、海外及び全国各地より会員ら約120名が出席しました。
  UIAは、茶道の国際化を推進し、「一碗からピースフルネスを」の理念に基づき、世界平和に寄与することを目的として昭和60年(1985)に設立され、国内だけでなく海外も含めて500余名を数える会員組織です。
  当日は午前中に役員会(議長:長谷川幸三運営幹事)が行なわれ、午後1時から会館に併設する茶室「宝松庵」にて行われた記念茶会(担当:田村輝子運営幹事)では、UIAらしく各国の見立ての道具の取り合わせで参加者に一碗が呈されました。


宝松庵



  総会は大宗匠が出席され、午後4時より笠井治子運営幹事の司会により開会。大宗匠、天江喜七郎会長(国立京都国際会館館長・外務省参与・淡交会顧問)の挨拶に続き、関根秀治総括幹事(裏千家事務総長・淡交会副理事長)による宗家・淡交会総本部報告がなされました。その後、望月静雄運営幹事を議長に議事が進行。嶋 学運営幹事(淡交会総本部国際部部長)より2010年度事業報告、収支決算報告、2011年度事業計画、予算案について説明が、小林町子監事より監査報告があり、全て満場一致で承認・可決されました。続いて、大宗匠より2012・2013年度新役員を代表して天江喜七郎会長に委嘱書が、退任役員には記念品が手渡されました。


大宗匠挨拶天江会長挨拶

委嘱書交付

  総会後には大宗匠による記念講演が行われました。講演に立たれた大宗匠は仏教の三法印・四法印について触れ、「人間は常に悩みや苦しみを持ちながら生きていますが、自分よりも他の人のことを考え、誰かのためにと思った時に初めて悩みや苦しみからも救われるのです」と話され、「相手が誰であれ、その方が幸せになれるように、苦しみから逃れられるようにという気持ちで茶筅を振っていただきたい。その気持ちが世界の人たちにも通じます」と結ばれました。

記念講演

  総会終了後、グランドプリンスホテル京都で記念懇親会を開催。平美恵子幹事の司会により、裏千家学園別科外国人研修コース(みどり会)の学生の自己紹介に続き、望月静雄運営幹事の発声で乾杯。大宗匠は参加者と親しく交流され、また、参加者同士は日本語や英語だけでなく他の外国語も交わし国際色豊かな場となりました。



  UIAでは、設立25周年記念事業の一環として学校茶道教本『裏千家茶道』の翻訳に取り組み、2011年2月に“Urasenke Chado Textbook”(淡交社刊)を刊行。裏千家茶道を知るために非常に有益な書として、UIA会員はじめ海外や、一般の方からも好評を博しています。

新年度役員は下記の通り。