兵庫県立篠山鳳鳴高等学校茶道部活動報告


  兵庫県立篠山鳳鳴高等学校は、兵庫県中東部の緑豊かで肥沃な地にある学校です。兵庫県では最長の歴史を誇る伝統ある学校で、部活動も活発です。本校茶道部は、毎週火曜日にお稽古に励んでおりますが、平成20年度は、例年とは異なり、文化祭での呈茶だけでなく、対外的に活動もしました。そのうちの主な活動を3つご報告します。

  宗家訪問(2009年3月25日)

  桜の花が漸く咲き綻びかけた去る3月25日、宗家訪問の機会を得ることが出来ました。当日は、花冷えの天候。今日庵に入る直前に小雨が降り出しましたが、拝観を終える頃には、空は美しく晴れわたり、太陽の光を受けて輝く雨上がりのしっとりしたお庭が私たちを送ってくれました。
  抛筌斎での呈茶から始まりましたが、大変緊張していた生徒も、心温まるお点前に次第に心がほぐれ、季節感溢れるお菓子と美味しいお茶を頂き、大変感動しておりました。
  呈茶の後、歴史の感じられる茶室を一つ一つ拝観させていただき、千利休様が目指したわびさびの茶道の奥深さを知り、ますます茶道への関心を深めました。


  裏千家家元である今日庵に行って、沢山の感動を実感しました。
かなり緊張していましたが、お点前なさった方と会話も交えながらお茶を頂いているうちに緊張もほぐれ、落ち着いた空間でお茶を楽しむ事が出来ました。
  今日庵には100年や、古くて300年を超えるような伝統的な茶室が沢山あり、その部屋を拝見させて頂くという貴重な経験が出来ました。全ての部屋において千利休が目指した、身分関係なく楽しみながらお茶を頂くという考えが表現されていました。
それが今現在まで受け継がれ、私達もその考えと同じく、楽しくお茶を頂けた事にとても感動しました。
  改めてお茶本来の楽しさと奥深さを学び、私達も楽しいお茶の場を提供出来るように頑張ろうと思いました。



  丹有地区高等学校茶道部研修会(初釜)(2009年1月17日)

  底冷えが厳しく、きりりと引き締まるような篠山特有の冬らしい天候の1月17日、兵庫県立都市公園並木道中央公園内にあるかやぶき民家にて、兵庫県丹有地区の高等学校の茶道部を招いて、初釜茶会を開催しました。
  例年は、茶道部の活動を外部の方々にお披露目できる機会といえば、文化祭のお茶会だけですが、今年度は丹有地区の高等学校文化連盟茶道専門部の研修会の一環として初釜茶会が計画されました。しかも、亭主としてお茶会に参加することになり、緊張と不安で一杯でしたが、無事お茶会を終えることが出来ました。このお茶会の開催に当たり、普段のお稽古にも一層熱が入り、もてなす側としていろんなことを学ぶことが出来ました。


  私たちにとって、初釜茶会を沢山の方をお招きして主催するのは初めての経験で、緊張や不安、戸惑いなど様々な気持ちがありました。これまで、あまり全員揃ってのお稽古が出来なかった私たちですが、この初釜茶会が決まって以降、部員全員が一生懸命お稽古に励みました。初釜を終えた時、部員が一つとなって協力し合い、よいお茶会が出来たという喜びと嬉しさがありました。
  一方で、いろいろ苦労することもありました。私がお点前をするにあたっても、他の部員に随分助けられました。また、初釜茶会まで、ずっと指導くださった先生、会場の並木道公園の職員の方々にも大変お世話になりました。この茶会を通して、私たちは作法だけでなく、感謝の気持ちなどいろいろなことを学ぶことが出来ました。
  今後は、今回の貴重な経験を活かし、ますますお稽古に励み、いろんな場面で茶道部の活動を展開していきたいと思ってきます。私たちのお茶会にお越しいただいた学校の方々、ありがとうございました。



  国際交流茶会(2008年6月23日)

  JICE(財団法人日本国際協力センター)による「21世紀東アジア青少年大交流計画」の招聘で、22名のベトナム人中学生が篠山市にホームステイしました。この交流プログラムは、同世代の青少年の直接交流を通して、平和的な相互理解と友好関係の促進を目指すものであり、篠山市の国際理解センターより依頼を受け、本校茶道部が日本文化の紹介として茶道でもてなしました。
  ベトナム人中学生は、初めての茶道に大変興味関心を示し、いろんな質問を投げかけてきました。お茶を点てることに挑戦する積極的なベトナム人中学生も多く、お茶を通して直接国際交流が図れたことに大変感動しました。言葉の壁も越えて、交流を図れ、まさに「一碗からピースフルネスを」の実体験でした。