第25回ひな祭り茶会


  裏千家学生茶道研究会
 評議員長 森田友梨

  3月2日(金)、京都市左京区の「下鴨茶寮」において第25回ひな祭り茶会が開催され、裏千家学生茶道研究会会員の点前で参加者に一碗を呈しました。
  私たち裏千家学生茶道研究会は関西圏の22大学の茶道部が加盟し、茶道に対する学術研究と会員相互の交流・親睦を図ることを目的に活動しています。

  このひな祭り茶会は、下鴨茶寮先代女将の佐治政子様が戦争でひな祭りを催すことが出来なかったご経験から、若い世代にひな祭りを楽しんでもらうとともに日本文化を継承していって欲しいとの思いを持たれ、当研究会へお声掛けいただいたことにはじまります。
  今回で25回目となり、当研究会の年間活動の主行事のひとつとして定着しております。毎年、加盟大学の男子学生が亭主を務め、女子学生を客として招待しおもてなしをしています。
  今年は12大学から26名の女子学生を招くとともに、東日本大震災で被災し京都市内で避難生活を送りながら京都市立桃山小学校に通う児童28名を、京都らしい雰囲気の中で伝統文化を楽しんでもらおうと招待いたしました。
  毎回、茶会のテーマを決めているのですが、今年は「春桃花(しゅんとうか)」としました。「春」は春の訪れを、「桃」は女の子を、「花」は花びら1枚1枚が集まってできていることから、人と人が一碗を通して繋がり、協力してがんばろうという思いを込めました。
  茶席では、児童たちがお茶碗を大切そうに両手で包みながら笑顔でお茶会を楽しんでいる姿にとても心が温まり、主催者としてやりがいを感じた一日となりました。
  まもなく震災から一年となりますが、この茶会が子どもたちにとって新たな一歩を踏み出す励みとなることを心より願っています。

桃山小学校の児童を招待して


ひな飾りを楽しみながらの点心席

ひな祭り茶会スタッフ一同