お家元、徳島文理大学茶室披きに出席
─日本の伝統文化に親しめる環境づくりを目指して─


  千 宗室家元は6月6日、徳島市にある学校法人村崎学園徳島文理大学本部を訪問。この度完成した「楽庵」の茶室披きに招かれての出席でした。その後、同大学キャンパス内に学園創立110周年を記念して建てられた「むらさきホール」で学生ら約1100人を前に記念講演の講師を務められました。

  同学園は徳島県だけでなく香川県にも大学キャンパスがあり、幼稚園から大学院までを擁する四国随一の総合教育機関。大学側の茶道への理解は深く、学生が日本の伝統文化に親しむ環境づくりに熱心に取り組んでいます。
  同大学は、近年の「動」ばかり追い求めがちな若者の志向にあって「静」に目を向け、心の充実を求める姿勢を忘れないで欲しいと、情操教育の一環として大学内に茶室を設けることに。平成4年の学園創立100周年を機に、千 宗室家元の指導監修の下、茶室「茶琴亭」を、平成11年には香川キャンパスに「茶意庵」をそれぞれ建築。そして今回、学園創立110周年を機に大学本部棟5階に露地までを備えた本格的な茶室「楽庵」を設けたものです。

  茶室披きには、村崎正人理事長夫妻ほか学園関係者だけでなく、お家元をはじめ地元の裏千家淡交会徳島支部・石川良彦支部長ほか支部関係者が共に出席し、扁額を除幕。『楽庵』の鮮やかなお家元染筆が現れ、式は披露茶会へと移りました。


茶室『楽庵』の除幕式


茶室がある本部棟 茶室外観 茶室「楽庵」、8畳と6畳の2間
学生たちの「こころ」のよりどころに





  むらさきメモリアルホールに於いて千 宗室家元が『自浄其意の道』と題して講演。
1300人以上を収容出来、コンサートホールとして利用される同ホールは学生、教職員、淡交会徳島支部の会員らでほぼ満席となりました。講演後、ステージでは大学茶道部の学生が亭主と客になり、志村宗光業躰による指導解説が行われ、まさに学園全体が茶室の完成を喜び、祝福する1日となりました。


講演前に茶室扁額、掛軸の寄贈目録を
村崎理事長に贈呈されるお家元


お家元は『自浄其意の道』を講演


志村宗光業躰による基準点前の解説 地元テレビ局の取材に応じるお家元