第51回学校茶道指導者研修会 第41回学校茶道担当者講習会
オンライン合同研修会

研修テーマ「茶の湯に出会う、日本に出会う」
― 子供たちが不安を抱える今、学校茶道の果たす役割を考えよう ―


  令和3年7月10日(土)と17日(土)の2日間、淡交会各学校茶道連絡協議会の会員220名、全国の裏千家茶道採用校の教職員22名の合計242名が受講しました。
  今研修会は、コロナ禍の中、学校教育における茶道の果たす役割や可能性を考えるとともに、多様な教育環境下での茶道指導のあり方など、参加者同士の情報交換を通して、茶道指導者と学校担当者との相互理解を深めるものです。
  今回は初のオンライン(Zoom)開催となり、多数の受講希望があったため2回に分けての開催となりました。

<開講式>
  午前9時からの開講式では、家元講話としてVTRを配信しました。千 宗室家元は「茶の湯の力とは、大勢の先輩達がしっかりと私達に手渡してくれた、そして心から心へと伝えてくれたものです。この2年間はずっと土俵際に立たされているようなものですが、それぞれの立場で茶の湯を工夫することで、これからもしっかりと踏ん張っていきましょう」と結ばれました。


<分科会T>
  受講者は学校種ごとに8グループに分かれ、座長を務めるアドバイザーの進行のもと自己紹介をはじめ、コロナ禍での指導の状況、悩み等を話し合いました。

アドバイザー(8名)*50音順
小関洋治氏(元和歌山県教育委員会教育長、元和歌山大学客員教授、淡交会和歌山支部副支部長)
梶川宗尚氏(淡交会川崎支部副幹事長)
辻 宗治氏(淡交会参事補・岐阜支部副幹事長)
永野宗骼=i高知県教育委員、高知学園高知中学高等学校校長)
名取宗康氏(千葉県立九十九里高等学校教諭、淡交会千葉県支部副幹事長)
波佐間宗清氏(前下関市教育委員会教育長、淡交会参事・西中国地区地区委員長・下関支部副支部長)
船生宗敏氏(元東日本国際大学教授、淡交会いわき支部副幹事長)
吉田宗石氏(前プール学院理事長兼中学校・高等学校校長、淡交会東京第六西支部副支部長)

<今日庵業躰による、指導者のための点前の指導方法と解説>
  松井宗豊今日庵業躰(10日)、徳丸宗敏今日庵業躰(17日)による薄茶平点前の実技解説、質疑応答があり、子供たちに指導する際のポイントをわかりやすく解説され、その実践方法を学びました。また、最後にはオンライン茶会が催されました。

実技解説

<分科会U>
  分科会Tに続いて学校種ごとに開催。受講者は互いに積極的に発言し、コロナ禍における学校茶道の役割、これからの目標について話し合い、より踏み込んだ情報交換の場となりました。

<全体会>
  アドバイザーの永野宗骼≠フ進行で、分科会で話し合った内容を学校種ごとのアドバイザー8名が発表し、最後に波佐間宗清氏による総括がありました。

永野宗骼 小関洋治氏 辻 宗治氏

梶川宗尚氏 吉田宗石氏 名取宗康氏

船生宗敏氏 波佐間宗清氏

<閉講式>
  閉講式では、野口耕一淡交会専務理事より、指導者研修会の受講者を代表し、10日は河原宗孝氏(特別参事・関東第一学校茶道連絡協議会委員長)、17日は森脇宗香氏(帯広支部幹事長・帯広学校茶道連絡協議会委員長)の、担当者講習会の受講者を代表して10日は増田昌人氏(沖縄支部副支部長・琉球大学茶道部顧問)、17日は吉田珠美氏(三輪田学園理事長)の修了証が読み上げられました。

代表拝受(10日) 代表拝受(17日)
(写真左は河原氏、右は増田氏) (写真左は森脇氏、右は吉田氏)

  主催者を代表して野口専務理事より挨拶があり、研修会を終了しました。


<講義> 伊ア一夫氏:関西福祉大学 教育学部教授(事前配信)
  「お茶の学びの可能性 〜コロナで見えた学校茶道の魅力〜」と題し講義。コロナ禍の厳しい状況下にこそ、茶道で養われた力が発揮されると解説され、受講者はコロナ収束後の学校茶道の在り方について理解を深めました。


<事例発表> 田村宗恵氏:山口県立萩看護学校 茶道部指導者(事前配信)
  コロナ禍での感染対策を含めた日々の部活動の様子や、七夕茶会などの行事を通じて学生自身が前向きに考え、取り組んでいる姿勢が紹介されました。