第52回学校茶道指導者研修会・第42回学校茶道担当者講習会
合同研修会

研修テーマ「今に合わせてお稽古の充実を」
― 子供たちに寄り添う学校茶道を目指して ―



 令和4年7月23日(土)、24日(日)の2日間、宗家・京都東急ホテルを会場に感染対策を徹底した上で開催、淡交会各学校茶道連絡協議会の会員85名、全国の裏千家茶道採用校の教職員6名の計91名が受講しました。
 学校茶道合同研修会は茶道指導者と学校関係者の相互理解を促進するとともに、学校教育における茶道の役割や可能性を考える機会として開催していますが、今回の研修会では、コロナ禍における指導の工夫を子供の学ぶ意欲向上につなげるべく、各種の情報交換や講義、事例発表などが行われました。

7月23日(土)
<開講式>
 午前10時30分からの開講式で挨拶に立たれた千 宗室家元は、日頃の学校茶道への取り組みに謝意を示されるとともに「誰かにお茶を差し上げるために、まずは自分が美味しくお茶を飲むための稽古を繰り返すことが大切です。指導者の皆様には、子供たちに今の時代に適したお茶の楽しみ方を教えてあげてください。」とお話しをされました。


 また、永年に亘りアドバイザーを務められた淺沼宗博氏、小関洋治氏に千 宗室家元より感謝状が贈られました。

(左から)淺沼氏、小関氏

<分科会T>
 受講者は学校種ごとに10グループに分かれ、アドバイザーの進行のもと、自己紹介をはじめ互いの指導校の現状などを語り合いました。

アドバイザー
大学・各種専門学校船生宗敏氏(元東日本国際大学教授、淡交会いわき支部副幹事長)
高等学校A淺沼宗博氏(皇學館大学現代日本社会学部特別招聘教授、淡交会三重南支部参与)
高等学校B吉田宗石氏(前プール学院理事長兼中学校・高等学校校長、淡交会東京第六西支部副支部長)
高等学校C名取宗康氏(千葉県立九十九里高等学校教諭、淡交会参事補、千葉県支部副幹事長)
中学校A小関洋治氏(元和歌山県教育委員会教育長、淡交会和歌山支部副支部長)
中学校B永野宗骼=i高知県教育委員、高知学園高知中学高等学校校長、淡交会高知支部)
小学校A波佐間宗清氏(前下関市教育委員会教育長、淡交会参事・西中国地区地区委員長・下関支部副支部長)
小学校B梶川宗尚氏(淡交会川崎支部副幹事長)
幼稚園・保育所(園)A辻 宗治氏(淡交会参事補・岐阜支部副幹事長)
幼稚園・保育所(園)B伊ア宗一氏(関西福祉大学教育学部教授、淡交会神戸第二支部)

大学・各種専門学校 高等学校A 高等学校B 高等学校C

中学校A 中学校B 小学校A

小学校B 幼稚園・保育所(園)A 幼稚園・保育所(園)B

<平成茶室呈茶>
 平成茶室「看月の間」では、お家元がご用意された立礼席で業躰部による一碗を楽しみました。

平成茶室での呈茶

<点前指導方法と解説>
 裏千家学園3階では、中村宗石今日庵業躰が「指導者のための点前の指導方法と解説」としてコロナ禍の中で子供たちに指導する際のポイントを解説、受講者からは日々の稽古での注意事項などについて質問がありました。受講者は一畳に一人が座り、換気が行き届いた中でゆったりと学びました。

指導者のための点前の指導方法と解説

7月24日(日)
<分科会U>
 初日に続いて学校種ごとに分科会を開催。前日の発言内容を踏まえ、より踏み込んだ情報交換の場となりました。

<全体会>
 アドバイザーの永野宗骼≠フ進行で、分科会の内容を各グループの代表10名が発表、最後に小関洋治氏、淺沼宗博氏、波佐間宗清氏による総括がありました。

幼稚園・保育所(園)A 幼稚園・保育所(園)B 小学校A 小学校B

中学校A 中学校B 高等学校A

高等学校B 高等学校C 大学・各種専門学校

(左から)小関氏、淺沼氏、波佐間氏による総括

<閉講式>
 閉講式では、長谷川義翁淡交会常任理事より、学校茶道指導者研修会の受講者を代表して中川宗泉氏(三重南支部副幹事長・三重南学校茶道連絡協議会委員長)、また、学校茶道担当者講習会の受講者を代表して赤下宗栄氏(社会福祉法人ゆずの木 キッド・ステイ世田谷南保育園園長)にそれぞれ修了証が授与されました。
 続いて、主催者を代表して長谷川常任理事より挨拶があり、その後、平山宗佳氏(青森支部幹事長・青森学校茶道連絡協議会委員長)が受講者を代表して謝辞を述べ、2日間に亘る研修会を終了しました。


事前配信
<講義>村井尚子氏(京都女子大学発達教育学部教授)
 「幼児期のお茶の時間が子どもの育ちにどのような影響を与えるのか」と題し講義。事例を交えて茶道に触れることの意義を解説され、受講者は茶道体験の重要性について学びを得る機会となりました。


<事例発表>松本宗弥氏(淡交会徳島学校茶道連絡協議会委員長)
 徳島学校茶道連絡協議会では、毎年11月23日(勤労感謝の日)に「学生・生徒茶会」を催しており、昨年度の第41回は初めてオンラインで開催されました。
 松本氏は準備や当日の様子を紹介するとともに、コロナ禍に合わせた試みの成果について発表されました。