第29回学校茶道担当者講習会

研究テーマ
     「日本を身近に−今、茶道を通じて伝えられるもの−」

  5月23日(金)〜24日(土)の2日間、宗家・京都全日空ホテルを主会場に、第29回学校茶道担当者講習会を研究テーマに基づき開催、学校法人理事長・学校長・園長・教職員等55名が受講しました。

 
【5月23日の講習プログラム】

開講式


  開講式では、千 宗室家元から「学校茶道は、子どもたちに点前作法を教えるだけでなく、挨拶をはじめ、生活のけじめを教える場でもあり、日本人が育んできた心や文化を身に付けさせて欲しい」と挨拶されました。
  開講式終了後、関根秀治裏千家事務総長・淡交会副理事長から、裏千家の学校茶道に対する取り組みの歴史や基本スタンス、教育の場における茶道の果たす役割などについて総本部報告が行われました。


家元挨拶


総本部報告


 
基調講演 「品川区の教育改革とこれからの学校」
        若月秀夫品川区教育委員会教育長・内閣府教育再生懇談会委員

  品川教育委員会の推進する教育改革の方向性や現在の教育問題、そして平成18年度から品川区独自の教科として小学校3年生から中学校1年生を対象とする「市民科」における茶道導入の経緯やその教育効果教育について語られました。




 
事例発表T 「茶の心を子どもたちに」 京都市学校茶道研究会

  多田彦士同研究会会長代行(京都市立新町小学校校長)並びに大浦万美子同研究会事業担当(下鳥羽小学校教諭)から、全国で唯一の学校教職員による茶道研究団体である「京都市学校茶道研究会」の設立の経緯や活動内容についての発表をいただきました。




 
事例発表U 「幼稚園、保育園における茶道の取り組み」
                浅井祐子 湊川短期大学教授

  湊川相野学園の5幼稚園における茶道実施状況、そして幼稚園教諭・保護者を対象に実施した「お茶のおけいこ」に対するアンケート結果報告を交えた発表をいただきました。




 
事例発表V 「茶道を通して留学生に日本の伝統を伝える―思いやりと心映え―」
                木下哲生 防衛大学校准教授

  同校に入学する留学生に対して、事前の1年間に実施する日本文化理解教育の一環として行われている茶道の授業内容や外国人への茶道指導の在り方についての発表をいただきました。




 
【5月24日の講習プログラム】

風炉薄茶点前の解説  志村宗光今日庵業躰


  受講者の山下和恵山陽女子高等学校教務課長に点前を、振本ありさ同志社小学校教諭に客を担当いただき、点前解説が行われました。
  当初は、緊張した面持ちでしたが、ユーモアを交えた解説によって、和やかな点前解説となりました。




 
  その後、受講者は利休御祖堂参拝・茶室見学・呈茶・裏千家資料館見学を行いました。


 
閉講式

  受講者を代表して、樫村雅子十王幼稚園理事長・園長が修了証書を拝受。そして前田達宏京都市教育委員会生涯学習部首席社会教育主事が謝辞を述べられました。
  なお、閉講式後、希望者は大徳寺聚光院利休居士墓参並びに拝観を行いました。


修了書 拝受謝辞


利休居士 墓参