第50回裏千家ハワイセミナー



 7月15日(金)から22日(金)、千 玄室大宗匠出席の下、ハワイにおいて第50回裏千家ハワイセミナーが開催され、天江喜七郎 淡交会顧問を団長とする同門社中58名が参加しました。さらに裏千家茶道を熱心に学ぶ全国の大学から4名の学生が招待されました。

 1972年、大宗匠(当時、家元)よりハワイ大学へ茶室「寂庵」、茶庭「清苑」が寄贈されたことを機に第1回が開催された裏千家ハワイセミナーは本年で50回目を迎え、大宗匠・ハワイ大学教授・イースト・ウエスト・センター(EWC)講師による講義、淡交会ハワイ協会やハワイ大学茶道部との交歓茶会などの恒例行事が開催されました。
 また本年は節目の年を記念し、ハワイ本派本願寺にて献茶式が執り行われました。

 新型コロナウイルス感染症の拡大により、第48回・第49回は中止となりましたが、本年は適切な感染症対策を講じ、3年ぶりの開催が叶いました。


◇結団式
 15日(金)、ホノルルに到着した参加者はハレクラニホテルに参集し、結団式が行われました。
 結団式では大宗匠が歓迎のことばを述べられるとともに、天江団長から挨拶。団員は大宗匠を囲んで歓談し、セミナーに向けて互いに交流を深めました。

天江団長挨拶招待学生


◇裏千家ハワイセミナー第50回記念献茶式
 16日(土)、本派本願寺ハワイ別院に於いてハワイセミナー第50回を記念して献茶式を厳修。
 大宗匠はご本尊の前に設えられた点前座に進まれ、2碗を献じられました。



◇ハワイ協会懇親茶会
 17日、裏千家ハワイ出張所内の茶室「汎洋庵」に濃茶席、JCCH(ハワイ日本文化センター)内の茶室「星光庵」に薄茶席が掛けられ、団員はハワイならではのもてなしを楽しみました。

濃茶席 於・汎洋庵

薄茶席 於・星光庵

 夕刻からはシェラトン・ワイキキ・ホテルにおいて大宗匠主催の晩餐会が開催。
 青木 豊在ホノルル日本総領事夫妻、ジョージ・有吉元ハワイ州知事夫妻、ハワイ協会会員、団員等が参加し、例年より規模を縮小して行われました。
 青木総領事のご挨拶の中で林芳正外務大臣のメッセージが代読されました。


青木総領事


◇ハワイセミナー大学講義1日目


 18日(月)、ハワイ大学内キャンパスセンターボールルームにおいて講義1日目が開講。大宗匠の開講挨拶のあと、植木義晴 日本航空取締役会長が特別講師として講義を行いました。自身の経歴と、初のパイロット出身の社長として日本航空を立て直したご経験をユーモアを交えながら語られました。
 続いてハワイ大学 ケハウ・ワトソン博士より「マラマ・アイナ ハワイの伝統的な生活様式」の演題にて講義がありました

植木義晴講師 ケハウ・ワトソン 博士

 セミナー終了後、団員はハワイ大学茶道部、茶道部OB青年部との交歓茶会に参加。ハワイ大学内に茶室「寂庵」が寄贈されて50周年の記念の年となることから、これまでの茶道部の歴史を感じられる席を楽しみました。

ハワイ大学茶道部席 於・寂庵


ハワイ大学茶道部OB青年部席 於・EWC


◇ハワイセミナー大学講義2日目
 第3講目は大宗匠が講義。里見家から納屋衆までの歴史にふれ、平安、鎌倉、室町へと続き茶の湯御政道へと進んでいった過程をお話なさるとともに、教養として「古事記」「日本書紀」そして「万葉集」を読み「情」の国である事を自覚してほしいと話されました。
 その後、イースト・ウエスト・センター(EWC)よりメアリ・テレーズ・ハットリ博士が「児童教育とCOVID-19;ポスト・パンデミック世界における教育への示唆」の演題にて講義。

メアリ・テレーズ・ハットリ博士


 その後、第50回を記念しハワイ大学から記念品が贈られました。


 修了式では大宗匠から修了証が団員各位に手渡されるとともに、ハワイ大学、EWCからも修了証が授与されました。

修了証授与 参加者全員で記念撮影

 20日(水)には裏千家ハワイ出張所内の茶室「汎洋庵」にてハワイ協会による呈茶席が設けられ、和やかにセミナーの思い出を語り合いました。


 夕刻からはブレーカーズホテルのプールサイドにてサヨナラパーティが開催されました。
 大宗匠を囲み、ハワイアンミュージックやフラダンスを楽しみながら心行くまで最後の夜を満喫しました。