中国・天津にて東アジア茶文化シンポジウムを開催

千 玄室大宗匠の提案で日中韓の研究者を迎えて初の学術会議



 日本、中国、韓国の研究者を迎えて「東アジア茶文化シンポジウム」を中国・天津にて開催するにあたり、千 玄室大宗匠はシンポジウムにて基調講演をされるため10月22日より26日まで訪中されました。

 東アジア茶文化シンポジウムは同地域の友好と交流を文化・学術面で促進する一助になればと、千 玄室大宗匠のイニシアチブにより実現したもので、茶文化をテーマに日本、中国、韓国の研究者が一堂に会する初の学術的会議となります。
 シンポジウムは裏千家と中国・南開大学との共催で、10月23日、中国天津の天宇大酒店国際会議場にて開催。陳超英・中国共産党天津市委員会常務委員、井出敬二・在中国日本大使館公使、胡勝才・天津市外事弁公室副主任等の来賓、また侯自新・南開大学学長、修剛・天津外国語大学学長、徐一平・日本学研究センター中国側主任、竹内信夫・日本学研究センター日本側主任(東京大学教授)、劉金才・北京大学日本文化研究所所長ら天津・北京の各大学の研究者、学生約300人が聴講しました。


基調講演をされる大宗匠


中国側講演者 戴相龍・天津市市長劉徳有・対外文化交流協会常務副会長


 大宗匠は「中国・朝鮮・日本の茶」と題して、また劉徳有・中国対外文化交流協会常務副会長は「和敬清寂と茶の心」と題して基調講演をされました。続いて、戴相龍・天津市市長も市長として初めての講演を行い、天津市側のシンポジウムへの期待の大きさが伺えるものでした。
 関係者、聴講者によれば、レベルの高いシンポジウムであったとの評価が高く、早くも次回の開催が望まれています。
 シンポジストと発表テーマは以下の通り。


韓国:  朴銓烈氏(韓国・中央大学韓日文化研究院長・文学博士)
   「フォークロアから見る日本の茶道」

 イム・チャンスー氏(韓国・中央大学文学部日本文学科助教授・文学博士)

日本:  倉澤行洋氏(日本・宝塚造形芸術大学大学院教授・文学博士)
   「茶道」と「遊び」

 岡本浩一氏(日本・東洋英和女学院大学人間科学部教授・社会学博士)
   「茶の湯の癒しの心理学的解釈」

中国:  李卓女史(中国・南開大学日本研究院教授・歴史学博士)
   「茶道による日本文化と日本社会への透視(考察)」

総括 
日本:  関根秀治(日本・社団法人茶道裏千家淡交会専務理事)


韓国:朴銓烈氏中国:李卓女史
日本:倉澤行洋氏日本:岡本浩一氏

総括:関根秀治専務理事


シンポジウムに参加された日中韓の研究者


裏千家短大留学生による呈茶を受けられる参加者