第8回東アジア茶文化シンポジウムを開催
―『茶の美とその心』をテーマに ―




  11月7日(木)、韓国・ソウル市の中央大学校アートセンターにおいて、第8回東アジア茶文化シンポジウムが『茶の美とその心』をテーマとして開催されました。

◇主 催       一般社団法人茶道裏千家淡交会
               韓国・中央大学校日本研究所
               北京日本学研究センター
◇後 援       大韓民国外交部
               大韓民国文化体育観光部
               在大韓民国日本国大使館
               中華人民共和国駐大韓民国大使館
               韓中日三国協力事務局

  このシンポジウムは、千 玄室大宗匠の発意により、茶文化の学術的交流を通じて東アジア地域の友好関係の促進を図ることを目的に始められた事業です。平成16年に中国・天津市において第1回が開催されて以降、韓国・ソウル、東京、ハワイ・ホノルル、中国・北京の各都市を巡回しながら成果を重ねてきました。
  第8回となる今年は韓国・ソウルの地に、日・韓・中をはじめアジア各地の裏千家淡交会会員、裏千家インターナショナルアソシエーション会員、韓国在住の茶文化関係者、開催場所となった韓国・中央大学校より特別に招待された学生など550名が参加しました。

  開会式に先立ち、大宗匠は同校の李 鎔九総長はじめ大学幹部を表敬、日韓の民間レベルでの学術・文化交流の必要性と意義について和やかに意見交換をされました。

  9時半からの開会式では、関根秀治 裏千家事務総長・一般社団法人茶道裏千家淡交会副理事長が総合司会を務め、まず初めに大宗匠より主催者を代表しての挨拶が述べられました。



  次に本事業の共催団体である韓国・中央大学校を代表して李 鎔九総長が歓迎の挨拶、また北京日本学研究センターを代表して徐 一平主任が挨拶され、続いて来賓の別所浩郎 在大韓民国日本国特命全権大使より祝辞をいただきました。

共催団体 李 鎔九総長徐 一平主任

来賓 別所浩郎大使の祝辞

  大宗匠の基調講演から始まったシンポジウムは、第一線で活躍される研究者の発表と、それにともなう質疑応答が展開され、参加者は熱心にメモを取りながら聴き入りました。

  発表者とテーマは下記の通り。


第8回東アジア茶文化シンポジウム

総合司会 関根秀治 裏千家事務総長  
進行 朴 銓烈 韓国・中央大学校教授  
◇基調講演    「茶道の道としての在り方」千 玄室 大宗匠
◇研究発表T  「空間‐建築と造庭‐」
李 基徹 慶北大学名誉教授
指定討論:矢ケ崎善太郎 京都工芸繊維大学大学院准教授
◇研究発表U  「思‐完全さ不完全さ‐」
郭 連友 北京日本学研究センター副主任
指定討論:筒井紘一 京都造形芸術大学教授
◇研究発表V  「在間‐茶道の禮と儒教‐」
関根秀治 平安女学院大学伝統文化研究センター所長兼教授
指定討論:李 基東 成均館大学教授
◇研究発表W  「識‐人間としての美意識‐」
林 瓚洙 韓国・中央大学校教授
指定討論:張 建立 中国社会科学院日本研究所准教授
◇総評       朴 銓烈 韓国・中央大学校教授

大宗匠の基調講演

進行・総評:朴 銓烈氏

◇研究発表
研究発表T 李 基徹氏             指定討論:矢ケ崎善太郎氏

研究発表U 郭 連友氏             指定討論:筒井紘一氏

研究発表V 関根秀治氏              指定討論:李 基東氏

研究発表W 林 瓚洙氏              指定討論:張 建立氏


  【呈茶】
  呈茶席はソウル協会と裏千家インターナショナルアソシエーションの会員が担当しました。



  【韓中日三カ国平和和合祈念献茶式】
  夕刻からは新羅ホテル「ダイナスティ・ルーム」で韓中日三カ国平和和合祈念献茶式が執り行われました。韓国、中国、日本の国歌独唱の後、大宗匠による献茶の儀が厳かな中で行われ、大宗匠は三カ国国旗に一碗を捧げられました。挨拶に立たれた大宗匠は、世界平和の確かな歩みを進めるべくますます努力していくことと、隣人としての三カ国の絶え間ない友好交流の必要性に触れられました。



  【大宗匠主催晩餐会】
  献茶式の後、同会場にて別所浩郎大使の乾杯の発声を皮切りに大宗匠主催の晩餐会が盛大に行われ、国内外から集った参加者は和やかな時間を過ごしました。

別所大使の発声で乾杯


大宗匠を囲んで