裏千家茶道留学生によるクリスマス茶会
〜「音」をテーマに〜


  12月4日、茶道会館では裏千家学園外国人研修コース「みどり会」によるクリスマス茶会が催されました。毎年この時期に行われる茶会は、今年で30回目。7カ国10名のみどり会留学生が、一年間お世話になった方々を招き、感謝を込めて一碗を振舞いました。

  暖かな小春日和のなか集まったこの日の招待客は、千 宗室家元夫妻はじめ宗家関係者方や友人など約100名。待合では各国のクリスマス飾りと様々な楽器が客を迎えます。今年のテーマは「音」。床にはフィンランドで吉兆を表す鶏の切り絵と可愛らしい手作りのジンジャーブレッドハウスが荘られ、クリスマスムードを演出。音のない序曲が穏やかに奏でられ、客は本席へ向かいます。





  床には坐忘斎家元による「無心風来吟」が掛かり、曲調は軽やかな旋律に転じます。そこに留学生たちが故郷の国から取り寄せた道具が加わり、豊かなシンフォニーを醸し出します。主菓子はポルトガルの伝統菓子アルテリヤをアレンジし、シナモンで雪の結晶を描いた“深々の声”。ほのかな甘みと爽やかな後味が茶の味を引き立てます。最後にみどり会生が、自らこの日のために京都・茜窯で絵付けをしたとりどりの茶碗で、一服の薄茶が呈されました。





  帰りには留学生全員の選曲による各国のクリスマスソングが入ったオリジナルCDがプレゼントされ、来席者は感謝と祝祭の音色に包まれた茶会を後にしました。