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第64回裏千家茶道国際セミナー
  5月18日(土)、19日(日)の2日間、茶道会館および裏千家学園を会場に第64回裏千家茶道国際セミナーが開催されました。
開講式
  同セミナーは英語での茶道紹介や指導方法を習得することを目的とする実践に重点をおいたカリキュラムとなっており、昭和56年(1981年)に第1回を開催しました。これまで約1900名が受講しており、修了者の多くが受講後「裏千家インターナショナルアソシエーション(Urasenke International Association)」に入会し、茶道の海外普及に活躍しています。毎回各地から定員を大きく超える応募があり、今回はその中から30名が受講しました。
  開講式の後は早速英語での自己紹介。最初は緊張が感じられましたが、受講生は「海外にて茶道デモンストレーションを行った際にうまく茶道文化について伝えられなかったので、一度きちんと習いたいと思った」「自国(ロシア)に帰り大学で茶道についての講習を行う際に役立てたい」「茶道の作法だけでなく、精神についても適切な英語で伝えられるようになりたい」など、受講理由や抱負を意欲的に話しました。
英語での自己紹介
  その後、禅講義と坐禅、裏千家茶道の海外普及についての講義、今日庵茶室拝観並びに平成茶室見学が行われました。
坐禅
裏千家茶道の海外普及についての講義熱心に講義を聴く受講生
  茶室の見学後は「『誰に』『どのようにして』茶道を伝えたらよいか」についての意見交換を重ね、2日目に行われる発表に向けての準備を行い、1日目は終了しました。
グループディスカッション
  セミナー2日目はグループディスカッションからスタート。1日目に話し合ったことをもとに最終打ち合わせを行い、グループ別のプレゼンテーション本番に臨みました。皆この度のセミナーの成果発表ともいえる実習に、気合いを入れて真剣に取り組みました。
プレゼンテーション実習
  プレゼンテーションでは立礼席と畳席でデモンストレーションを行い、同時に薄茶点前の解説を英語で行いました。今回学んだことや、講習の合間等の時間を利用してグループのメンバーで出し合った意見をもとに発表が行われ、点前やナレーションなど、事前にグループで相談して決めた役割を懸命に務めました。また、他グループのデモンストレーションを見学することも、受講生にとって普段得られない刺激を受けられる貴重な機会となったようです。

  閉講式では受講生に修了証が授与され、代表者が英語で謝辞を述べました。
修了証授与謝辞
  受講生からはセミナー後、「充実した2日間を過ごすことが出来ました」「茶道について、おもてなしについて、英語で説明するのは本当に難しいことだと改めて実感しました。今回得た経験と資料をもとに復習あるのみです」など前向きな感想が多数寄せられました。また、受講生の年齢、職業、居住地等は様々でしたが、2日間のセミナーを通じて親しくなり、今後も連絡を取り合って、互いに切磋琢磨していきたいとの頼もしい声も聞かれました。