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第74回裏千家茶道国際セミナー
  令和元年6月8日(土)、9日(日)の2日間、茶道会館および裏千家学園において、第74回裏千家茶道国際セミナーを開催しました。
  同セミナーは、英語での茶道紹介や指導方法を学ぶことを目的とした実践的なプログラム構成となっており、昭和56年に第1回が開催されて以来、2000名以上が受講しています。今回のセミナーには、定員を大きく超える応募者の中から29名が参加しました。
  開講式冒頭、長谷川義翁淡交会常任理事兼総本部事務局長より挨拶があり、その後、受講生は英語で自己紹介を行いました。茶道の魅力を海外の方々に伝える為の適切な英語の表現を学びたい、英語でお茶について説明できるようになりたい、海外での茶道普及活動に役立てたい等、自身の目標やセミナーに対する熱い思いが語られました。
開講式英語での自己紹介
  セミナー1日目は虚心庵にて、トーマス・カーシュナー和尚による禅講義と坐禅体験から始まり、次いで平成茶室にて呈茶、その後、今日庵茶室拝観が行われました。
座禅体験宗家拝観
  午後からは、裏千家茶道の海外普及活動に関する講義と、講師による模範デモンストレーションがあり、その後、3つのグループに分かれてディスカッションが行われました。
海外普及活動についての講義
講師陣によるデモンストレーション
  このグループディスカッションは、英語で茶道をより分かりやすく伝える方法について話し合うものであり、2日目のプレゼンテーション実習では実際に茶道紹介を行い、グループ毎に発表を行います。
  講師から点前を説明する際のポイントやよく使われる表現などのアドバイスを受けつつ、それぞれの茶道に対する思いや経験、知識を交えながら真剣な意見交換が行われ、1日目のプログラムは終了しました。
グループディスカッション
  2日目はまず、前日に引き続きグループディスカッション形式で最終打ち合わせを行い、受講生はプレゼンテーション実習(午前の部は立礼形式、午後の部は四畳半形式)に臨みました。グループ毎のメンバー同士で協力し合い、亭主、客、解説の役割に分かれて発表を行いました。発表後は講師陣からアドバイスや注意点等のフィードバックを受けると共に、他グループのプレゼンテーション見学を通じてより理解を深めました。
プレゼンテーション実習(午前の部)プレゼンテーション実習(午後の部)
  閉講式では修了証が授与され、代表者が謝辞を述べました。2日間のセミナーを通じて、最初の緊張した面持ちからは一転、受講生は互いに打ち解けあった様子で、「英語で茶道紹介をする方法を学ぶことができ、大変充実した2日間だった」、「外国の方に茶道を伝えたいという同じ志を持つ方々と共に学ぶことで大変刺激を受けた」、「今回初めて動作一つ一つの意味を考える機会を与えていただき、結果、茶の心の一層の理解に繋がったと思う」等の感想が聞かれました。既に英語による茶道紹介経験を実践されている方も多く、2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会を見据えた声も多く聞かれました。
  セミナーを修了した受講生の多くは「裏千家インターナショナルアソシエーション(UIA)」に入会し、裏千家茶道の海外普及に貢献しています。茶道を通じた国際交流において、受講生の今後の活躍が期待されます。