裏千家みどり会同窓会が宗家研修



  平成30年6月25日(月)から28日(木)まで、裏千家学園茶道専門学校の別科外国人研修コース「みどり会」修了生のための組織である、裏千家みどり会同窓会(Urasenke Midorikai Alumni Association)の会員53名が裏千家を訪問。大徳寺墓参および拝観、業躰による特別講習、千 宗室家元による講話などの研修を受け、また、阪田万紀子様参加のもと、今後の同窓会の活動等を話し合うミーティングを開催しました。

  みどり会同窓会は、世界30か国以上で活躍しているみどり会修了生たちが茶道に関わり続け、裏千家茶道を広める努力を支えることを目的とし、2002年に設立。今回の宗家研修は、みどり会で受けていたような学びの機会を持ちたいという、同窓会会員たちの数年来の強い希望を受け実現しました。

  25日(月)、宗家での講習に先立ち、参加者たちは大徳寺聚光院を参拝。沙羅双樹の花が可憐に咲く庭や茶室を拝観、また歴代家元の墓参をしました。
  26日(火)より2日間、平成茶室にて実技講習が行われ、開講式では千 玄室大宗匠が「皆さんはガソリンを満タンにするように、お茶を補給するため宗家に戻って来られました。お茶を皆さんの身体いっぱいに満たしていただければ大変結構です」と挨拶した後、参加者一人ひとりを激励。参加者たちは感激を胸に講習に臨みました。

  講習は、全員での割稽古から開始。その後5グループに分かれて、それぞれ業躰より指導を受けました。


全員での割稽古 グループ別稽古


閉講式


  26日夕刻に催された大宗匠主催の夕食会では、大宗匠から提供された掛軸や色紙、茶碗などを景品とした福引抽選会が行われました。登壇した大宗匠が自ら選んだ当選の札が読み上げられるたびに会場の熱気が高まり、当選者は満面の笑顔で大宗匠から景品を受け取りました。その後も和やかな雰囲気の中、参加者たちは親睦を深めました。

福引の当選者とともに 大宗匠を囲んで


  28日(木)、裏千家学園にて家元による講話が行われました。家元は基本に戻る事の大切さについて「独坐大雄峰」の禅語で知られる百丈懐海禅師の逸話や、6月の和菓子「水無月」についてエッセイで執筆された際のエピソードなどを交えて語られ、「基本というのは斜に構えず、物事にまっすぐ向き合うということです。この研修をそれぞれの基本に立ち返る良い機会としていただき、皆さんが京都で学んだお茶をそれぞれの国へ持ち帰り、その国の風土に適したものとなるよう、皆さんなりのお茶で表現してみてください」とエールを送られました。



  同日午後、引き続き裏千家学園にて、万紀子様参加のもと、今後の同窓会の活動等を話し合うミーティングが行われました。万紀子様は「茶道は世界に誇れる日本の素晴らしい文化ですが、皆さんは裏千家で得たゆるぎない基盤の上に、それぞれの国らしさ、国民性といったものをプラスして、より良い茶道をそれぞれの土地で根付かせていってください」と挨拶され、参加者から大きな拍手が送られました。



  その後、みどり会同窓会役員の司会進行によりミーティングが開始され、会員たちが世界の各地域で活動していくうえでの問題や提案、今後みどり会同窓会が裏千家の中で果たすべき役割や開催したい行事についてなど、活発な話し合いが行われました。



  宗家での研修日程を終えた参加者からは「みどり会同窓会としても、個人としても、多くの収穫を得た研修だった。思いを新たに、また自国へ戻り活動を続けたい」などの声が聞かれました。参加者たちは世界中の仲間と互いに助け合いながら、一層の茶道修養に励むことを誓い、今日庵を後にしました。