立命館大学夏期集中講座
千 宗室家元が講義


  9月9日〜13日、裏千家センターホール、裏千家茶道研修会館、立命館大学衣笠校舎を会場に、2002年度立命館大学の一般教育特殊講義「茶道文化史」の講義が開催。
  千 宗室家元は9日、立命館大学の学生に約1時間半の講義をされました。


お家元によるご講義


  この講義は平成5年から毎年行われており、今年は約900人もの申し込みの中から60人の学生が選ばれ、受講しました。
  同大学の客員教授を務められているお家元のほか、筒井紘一今日庵文庫長が講義を、裏千家業躰講師が実技を担当、宗家茶室の拝観も盛りこまれたユニークなカリキュラムとなっています。


質問に応えられるお家元 筒井文庫長による講義


  お家元は、茶道の歴史を端緒に『和敬清寂』について分かりやすく説明。さらに、「日本に関する最低のエチケットとマナーを覚えていれば海外に行っても恥ずかしくありません。そのマナーを教えるのが茶道です。また、外国人に日本文化を説明できる人が国際人。語学だけではなく、日本の生活マナーを説明できることが自分にとって強い財産となります。京都という素晴らしい場所で、大学在学中に日本の生活文化である茶道を身につけてほしい」と、次代を担う若者にエールを送られました。

  2日目には、筒井文庫長による講義が行われた後、宗家茶室を拝観。


宗家茶室を拝観する学生


  3、4日目は、茶道研修会館で業躰講師による茶道の実技講習が行われ、学生たちは真行草のお辞儀の仕方や薄茶点前などを体験。慣れない正座を我慢しながら姿勢を正しお茶を点てて同級生に差し出すと、互いに満足気な表情を浮かべていました。


お辞儀の仕方 茶花をいける学生


  最終日は、同大学に会場を移して筒井文庫長による講義と試験。
  学生たちは普段経験することのできない講義とあってみんな真剣な表情で臨んでいました。期間中、「お茶を始めたい」と茶道に深い関心を示す学生も現われるなど、学生にとって大変有意義な5日間となったようです。