千 玄室大宗匠、外務省研修所にて講義


  秋も深まった11月18日、千 玄室大宗匠は神奈川県相模原市の外務省研修所にて恒例の講義をされました。




  大宗匠は、外務省研修所講師として昭和40年より毎年に亘って、研修生に文化交流の意義を説かれています。今回受講した約150人は、平成17年中に在外公館に赴任予定の各省庁入省の若手官僚の方々。

  講義に先立ち、大宗匠は上田秀明所長らと一緒にロビーにて外務省研修所茶道部部員より立礼での呈茶を受けられました。呈茶席に荘られた大宗匠の短冊「松風塵外心」についての話となり、和気あいあいの時間となりました。


外務省研修所茶道部部員による点前でのおもてなし


  午後1時30分に講義が開始。大宗匠は、『日本教会史』に書かれた一節から話を始められ、大宗匠の半世紀をを超える海外歴訪までのエピソード、さらに日本を訪問された方々にお茶を差し上げた時のことなどについて話されました。"一碗から平和"を祈るきっかけとなった自身の戦争体験に話が及ぶと、受講者たちの顔が引き締まったようでした。

また、外国の人たちが多く質問する「わび」「さび」もわかりやすく説明、外交官としてこれから活躍が期待される研修生を励ます講義となりました。

  研修生は12月上旬、関西方面への研修旅行の折、裏千家茶室拝観を予定しています。