南極観測隊員・黒田さんの南極レポート#2

南極で初の茶会  第43次南極観測隊員の黒田健二さん


  昨年9月8日、鵬雲斎家元から茶名を授与された南極観測隊員の黒田健二(宗健)さんから淡交会総本部に近況を知らせる電子メールが届きました。前回は昭和基地での初稽古の報告でありましたが、今回は6月21日(夏至、南半球は冬至)前後に南極全土で催されるミッドウィンター祭を祝う初茶会の様子です。南極での任務期間が半年を過ぎ、様々な工夫をして越冬隊員にお茶の魅力を伝え続ける黒田健二さんの活躍の様子が伝わってきます。
  黒田さんのメールを紹介します。

  黒田隊員を始め第43次南極観測隊員の活躍を下記のホームページでご覧頂くことができます。最新情報"What's New!!"のページで「2002年3月10日 第1回お茶会」をご覧下さい。稽古風景が紹介されています。


(第43次南極観測隊員の活躍を報じる国立極地研究所
『南極観測のホームページ』へのリンク)
http://www.nipr.ac.jp/jare/





前略
  第43次南極地域観測隊  黒田です。
  南極・昭和基地では太陽が出なくなってから既に1ヶ月以上になります。
この時期には南極全土を挙げてミッドウィンター祭が開催されます。期間は6月21日(夏至、南半球は冬至)前後、ここ昭和基地でも19日の前夜祭から22日まで開催されました。
  南極に来て約半年、残りの約半年を無事に終えるようにと祝うお祭りです。いろいろな企画が行われとても楽しい4日間でした。私もお茶会を始め、居酒屋、懐石料理、寿司屋と企画を出し無事に終わりました。お茶会は前夜祭の最初の企画でした.前もって建築担当の隊員を始め何人かの協力のもと立派な茶室を造り、当日はお茶席は1席、5人で4席行いました。
  ある隊員は「ミッドウインター祭というと、大酒を呑んでの馬鹿騒ぎだけかと思っていたが、しめやかなお茶会からのスタートでぴりっとした引き締まり感と連帯感が通底し、他の企画もより盛り上げたように思う。他国基地へのミッドウインター祭り紹介メールに、日本隊らしいセレモニーとしてぜひ取り上げたい」と申しておりました。
  これからはかまくらの中、氷山をバックになど南極ならではのお茶会を行いたいと思います。


昭和基地内に観測隊員有志の手で作られていく茶室。にじり口もあります。

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