第19回裏千家ジュニア指導員養成講座

自然の中でキャンプ指導方法を学習
子どもたちにマナーと思いやりの心を

  5月17日から19日までの3日間、京都府丹波町の京都府立丹波自然運動公園で、第19回裏千家ジュニア指導員養成講座が開講され、全国から淡交会青年部会員94人が参加しました。
  裏千家では、千 宗室家元が提唱する"低年齢層へのアプローチ"事業として、茶道を通じて青少年の健全育成を目指す様々な活動を展開。その一環として毎年夏、全国各地の淡交会青年部会員が、キャンプなどを行いながら子どもたちにマナーや思いやりの心を伝える"ジャンボリー"を実施しています。
  今回の講座は"ジャンボリー"の指導員を養成するために隔年で行われる恒例行事。
  2泊3日の日程で、受講生は、キャンプの実施方法や野外活動のノウハウ、レクリエーションの楽しみ方など、多彩なカリキュラムに取り組みました。
  講師は、竹内正照氏(日本キャンプ協会公認キャンプディレクター1級)、丹羽俊和氏(日本レクリエーション協会公認コーディネーター)、森下克徳氏(日本キャンプ協会公認キャンプディレクター1級)と井上めぐみ氏(同2級)。
  17日午後2時からの開講式で、那須延明淡交会総本部事務局長が挨拶の後、橋本一郎総本部青年部部長の『淡交会青年部について』の講義で講座がスタートしました。
  続く実習『楽しい集いの持ち方』(森下、井上講師)では、ゲームを楽しみながら初対面の人とどのように交流を深めていくかについて学習。夕食をはさんで竹内講師よりキャンプ理論の講義があり、独自の体験を踏まえた分かりやすい説明に、キャンプの楽しさと大自然の厳しさを学びました。
竹内正照氏による講義

  前日から降り続いた雨が上がった翌18日は、実習『野外料理』が行われました。受講生たちは班長を中心にテキパキと準備をした後、鳥の岩塩包み焼きや野草の天ぷら、よもぎ鳥飯、笹茶、バウムクーヘンなどを各班で調理。ずらりと並んだ野趣溢れる料理に賑やかな野外料理パーティーとなりました。
  また、この日近畿第一ブロックによる呈茶席が、公園内中央広場の一角で設けられました。同ブロックが紙で製作したオリジナルの卓盆は大好評。清々しい風が吹く中で一服を味わった受講生は、ほっと一息ついていました。
  夕刻からは『キャンプファイヤー指導法』(丹羽講師)。厳かな雰囲気の中、手作りのトーチから井型に組んだ木材に火が灯されました。全員で火を囲みながら、ゲームを楽しんだり、キャンプソングを合唱。
  キャンプファイヤー終了後、"リーダーシップ・トレーナー(L・T)出向員"による呈茶が行われ、地元の銘菓を持ち寄り、摘んできた野花を飾るなど趣向を凝らし、受講生をもてなしました。夜空の星が瞬くもとで緑の一碗を味わい、受講生の心の絆はより一層深まったようでした。

竹筒を芯棒にしたバウムクーヘン

焼け石を鍋に入れるストーンボイリング

近畿第一ブロックによる呈茶席

キャンプファイヤー点火

火を囲んで様々なゲームを楽しむ

  最終日の閉講式では、那須事務局長より受講生に修了証が授与されました。
  また、今回の講座は(社)日本キャンプ協会の認定プログラムとなっており、(社)日本キャンプ協会公認キャンプインストラクターを申請するための「指導実習」終了証明書が併せて授与されました。
  2泊3日の研修を終えて受講生からは、「講師方のキメ細かな講義内容は大変勉強になった」「竹筒のバウムクーヘンは出来ていく過程が見られて面白かった。是非ジャンボリーで作りたい」「ここで学んだことを活かしながら、茶道を通じて子どもたちの健全育成に役立てたい」などの感想がきかれました。
  自然の中で互いに助け合い、青年部の全国的な横の繋がりを体感して、様々な野外活動のノウハウを学んだ受講生には、各々地元のブロック・青年部が主管する"ジャンボリー"で指導者としての活躍が期待されます。