「茶杓交換交流プロジェクト」〜竹取り物語〜
竹の油抜きについて

【報告者】
第25期全国委員会委員長
ナショナルコンファレンス2016実行委員長
小川愛一郎

  平成28年1月27日(水)、京都市の「三木竹材店」に於いて、茶杓に使用する竹の油抜き作業を行いましたので報告いたします。


<参加者6名>
◇全国委員会
  小川愛一郎・行松宏展全国代表者会議議長・東野佳奈全国委員
  中澤利之全国委員補・三木崇司全国委員補
◇北陸信越ブロック
  行松明美石川南青年部副部長


  昨年、いわきで伐採した竹が乾燥を経て、いよいよ油抜き作業に入ります。
  10時に集合して、まずは三木君から竹についてのお話を聞かせていただきました。昔は日常に身近にあり生活に欠かせない存在であった竹、そんな竹の話は聞けば聞くほど面白いものでした。

  竹はお茶杓になるまで次の工程を経ます。
伐採、乾燥、油抜き、天日干し(ここで青い竹から白い竹に変化します)、その後数年ねかし、虫が出ないか、割れがないか等の選別を行った後、茶杓用の竹になります。そして樋がある箇所を切り出して荒曲げ、削りを行って、やっとお茶杓となります。3年目の竹(直径3-4cm)から5本程度しか作れないそうです。

  今回使用する竹は先端を下にして約2ヶ月間立てかけて水切りを行いました。そして竹についている汚れを落としながら乾燥させた後、油抜きの作業に入りました。
  油抜きは、火焙り作業という京都の伝統技法を用いて行います。竹から滲み出てきた油を、色が変化するまでふき取りを行います。油をふき取ることでコーティングにもなり艶が出て硬くなります。そして仕上がった竹はとても美しいものでした。
  昔は炭火で焙っていたようですが、今はプロパンガスで行います。火の加減や時間、拭き方がうまくいかないときれいに仕上がらない大変な作業です。






  今回は参加者500名分の竹120本について、三木竹材店の従業員の皆様の手をお借りしながら油抜き作業をさせて頂きました。
  このプロジェクトを進めるにあたり、全国委員補の三木君には本当に色々と助けていただいております。竹の知識がない私たちを支え、場所の提供や従業員さんのご協力に感謝しております。こんな時は「出逢いに偶然はない、必然である」と強く感じます。「いわきの竹」に込められた想いを早くナショナルコンファレンス2016の参加者に届けたいという気持ちでいっぱいです。

  これから、乾燥、荒曲げと作業が続き、お茶杓になるまでもう少し時間がかかります。次回の作業の報告までしばらくお待ちください。




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