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7月23日(土)


第2日目、午前9時より開始。講演「淡交会青年部を考える」、「茶道放談」、昼食をはさんで、「茶美会談義」、「御家元と語る」が行われた後、感動の閉会式へ。
その後は、オプショナル参加で『会員交流の夕べ』が催されました。



■「淡交会青年部を考える」
講師 関根秀治氏(社団法人 茶道裏千家淡交会 専務理事)


  関根氏は、淡交会青年部の設立の趣旨、活動について「時分の花」を例に引きながら話し始められ、「青年部活動は、内に向かっては修行であり、それぞれの社中で修練を重ね、互いに切磋琢磨しあうこと、そして、親先生の指導を仰ぐこと」とされ、青年部と親支部との良き関係を築き上げることの大切さを語られました。さらに、「外に向かっては、奉仕である」とし、『五省』の語を引かれ、社会と交わる上で心したい戒めを示されながら、これからの青年部活動について、「少しずつでも伸びていけるよう、淡交会総本部も手を携えて歩みを進めていきたい」と話をしました。



■「茶道放談」
草野満代氏(ニュースキャスター)、小宮山泰子氏(衆議院議員)、中谷美紀氏(女優)



  淡交会理事・今日庵老分の大林剛郎氏が列席。

進行役を草野満代氏が務められ、それぞれ茶道との関わりを自由にご発言。3氏とも、それぞれの仕事にご活躍のかたわら、茶道に入門、修道されています。

入門のきっかけ、普段のお稽古や茶会でのエピソードなど、話題は楽しく縦横に展開し、会場は華やかな雰囲気に包まれました。

  最後に今後の展望とご自身の目標として、小宮山氏「議員としての責務を第一としながら、10年後を見据えて茶道とも関わっていきたい」、中谷氏「茶道と女優という二足の草鞋で、これから変わっていく自分が楽しみ」、草野氏「本当の意味で楽しめるものに出会った。一生に一度の思いを込めた茶会ができるよう頑張りたい」と結ばれました。



■研修V 「茶美会談義」
内田繁氏(デザイナー)、黒川雅之氏(建築家)、杉本貴志氏(デザイナー)

進行役:筒井紘一氏(裏千家今日庵文庫長)


  建築・アートの分野で活躍されている3氏による鼎談。故伊住宗晃宗匠が取り組まれた『茶美会』のコンセプトを底流に、それぞれの作品に込められた思いを披瀝されました。
冒頭、スクリーンで作品やテーマを解説。
黒川氏『日本の美意識を探る』 : 柱と梁で成り立つ日本建築は、"気"に満たされている。西洋的に見える現代も水面下には日本人の美意識が潜んでいる。茶を通じて再発見する必要があるのではないか。
内田氏『山居』 : 茶室は時をつくる空間であり、空っぽなものだが、換言すれば無限を意味する。利休は壁をつくり部屋を狭くすることで無限大の空間を作り出したのである。
杉本氏 : これまでは西洋の良いものを日本に置き直してきたが、これからの新しい価値観の構築には、茶の持っている魅力やその背景が有効な手立てとなるに違いない。

  筒井紘一氏の軽妙な司会のもとにそれぞれの表現を通じて、茶道との関わりや日本文化の捉え方を説き起こされました。深遠なテーマを鋭い切り口で語られ、参加者は熱心に聴き入っていました。



■御家元と語る        インタビュアー: 樫畑直尚実行委員長、辻 治美副実行委員長
  参加者を代表し、樫畑委員長、辻副委員長が進行役として、家元へインタビュー。
家元は、青年部活動について、茶道の修道・点前作法について、丁寧に分かりやすく語りかけられ、参加者へ大いなる示唆を与えられました。
さらに、家元のご趣味に話が及び、「基本をしっかり身につけなくては何もできないのはどの分野も同じ。ギターを例にとると、メロディラインとコードを反復練習してこそ、アドリブが生きたものになる」と話され、そこでギターを弾かれる場面も…場内は拍手に包まれました。
  最後に、参加者と青年部会員へ向けて、「茶人は完成されることはない。これからも変わっていくだろうが、根幹は変わることはありません。裏千家茶道は、利休居士から続く立派な大木としての幹があり、学校茶道や青年部、海外などの枝も太く伸びていって、葉を繁らせていくでしょう。皆さんもそれぞれの立場で茶人として楽しめるよう、自分で自分の背中を押していってほしい」と結ばれました。

和やかに語られる家元


ギター演奏を披露される家元



■閉会式
  会場に、家元のお話の余韻が残る中、感動のフィナーレを迎えました。
午後4時40分、閉会式。廣田元孝直前議長等より参加者に向けたメッセージが披露。
  家元より各ブロックから推薦された若い世代の代表者に修了証を授与。
続いて参加者を代表して宮本英光実行委員より、御礼とともに「未来に向けて行動するのは青年の特権です。今こそ、青年部としてのメインテーマを明確にし、勇気をもって新たな運動にチャレンジしていく時代が到来しているのです」と決意を込めた謝辞。
  家元は、「1回1回の行事は、参加される皆さんがどれだけ楽しもうと思うかにかかっています。これからも様々な行事において、人と人との縁のなかで充実の度合いを深めていってほしい」と話されました。
  参加者たちは、家元の言葉を受け、皆感激とともに充実した笑顔で、締めくくりの拍手はいつまでも鳴り止みませんでした。

家元挨拶

家元より代表に修了証を授与 宮本英光実行委員の謝辞



■会員交流の夕べ ・ ドームナイト in TOKYO
  涙と感動に満ちた閉会式終了後、全国委員正副役員が主管する『会員交流の夕べ』へと移り、今回の参加者約440人が出席。

  この宴には家元長男の千 明史氏も出席され、サマーコンファレンスの成功を祝い、大いに盛り上がりました。






  会員交流の夕べに引き続いて、前日の「塾」メンバーが集い、「ドームナイト in TOKYO」が催されました。家元、明史氏、大谷氏、納屋氏はすべての会場を回られ、参加者等を労われました。