社団法人茶道裏千家淡交会第98回全国総会
理事・参事合同会議
21世紀  未来を担う子どもたちのため、今こそ環境づくりを


  社団法人の最高意思決定機関である淡交会全国総会が11月26日、リーガロイヤルホテル京都において開催されました。これに先立ち、理事・参事合同会議が千 宗之若宗匠理事長を議長に行われました。
  総会には、千 宗室家元、若宗匠理事長、伊住宗晃副理事長、理事・監事、参事・参事補・特別参事はじめ、全国から165支部2支所の支部長・幹事長が参集。
  お家元、若宗匠、伊住宗匠から、組織の求心力を高めるとともに全員が一丸となって家元指導方針の実践に向けて全力をあげて取り組むよう力強い挨拶がありました。また上程された6議案:平成14年度事業計画案・平成14年度収支予算案・平成13年度収支予算補正案・平成14年度講師派遣日程案・定款施行細則一部変更案・理事会運営規則案:すべてが原案通り満場一致で承認可決されました。



若宗匠理事長あいさつ


伊住副理事長
閉会のことば
お家元あいさつ




第36回淡々斎茶道文化賞
  秋の総会では、先代家元・淡々斎宗匠を偲び茶道界に貢献のあった方々に贈られる「淡々斎茶道文化賞」の授賞式が行われ、受賞者の故布目潮風氏(文学博士・大阪大学名誉教授)と大西浄心氏(千家十職釜師・77歳)を発表。会場には、布目氏の妻・寿さんと大西氏長男・16代清右衛門さんが出席。それぞれ、お家元から褒章状と副賞が贈られ、喜びの気持ちをすなおに語られました。

受賞者紹介
  布目氏は、東京帝国大学文学部を卒業後、立命館大学・大阪大学教授を歴任。中国の喫茶文化史の研究に情熱を注ぎ、最古の茶書「茶経」を翻訳、解説するなど茶道の原点を明らかにされました。
  大西氏は京都市生まれ。九州大学法学部、京都大学大学院、京都市立芸術大学に学ばれ、昭和35年、15代清右衛門を襲名。千家好みの釜を多数制作するとともに京釜に関する多くの論文を発表。平成10年には全国初の釜の美術館「大西清右衛門美術館」をオープンするなど、茶道文化の向上に大きく貢献されています。



布目氏の授賞を受ける寿さん 大西氏の授賞を受ける清右衛門さん




学校茶道教育研究校指定校・教育助成金交付校の発表
  淡交会総本部では、学校における茶道授業の導入を進めやすくする環境づくりの一助として平成14年度に「学校茶道教育助成金」事業を実施します。その交付校の発表及び伝達式が行われ、「学校設定教科・科目としての茶道」を採用する高等学校10校の学校長と、「総合的な学習の時間としての茶道」を採用する小学校・中学校の代表2校の学校長が出席、当該学校の学校長へ委嘱書と助成金がお家元より授与されました。
学校茶道教育研究指定校
京都光華高等学校
学校茶道教育助成金交付校
埼玉県立いずみ高等学校・東京都 文化女子大学付属杉並高等学校・神奈川県立秦野南が丘高等学校・静岡県 静岡精華高等学校・富山県 富山第一高等学校・兵庫県立川西明峰高等学校・兵庫県立明石西高等学校・高知県立須崎高等学校久礼分校・大分県 福徳学院高等学校・鹿児島県 鹿児島学芸高等学校・京都市立修学院中学校・京都市立高雄小学校
宗家との一体感のもと、伝統を守りつつ常に新しい時代に即応する公益事業を展開する淡交会に寄せられる期待はますます高まっています。 助成金交付校の校長方に語られるお家元