第43回北海道地区大会
新涼の札幌市に2800人
若宗匠、淡々斎宗匠の遺徳を偲ばれ、無限碑で合掌


無限碑に一碗を捧げられる若宗匠


  秋立つ風もさやかな9月13日から15日の3日間、札幌市において、第43回北海道地区大会(北川日出治大会会長)が開催されました。主管支部は札幌第一支部(坂本眞一支部長)。

  宗家より千 宗之若宗匠が裏千家調査役の大谷裕巳氏とともに列席、前文部科学大臣で衆議院議員の町村信孝氏、北海道副知事の佐々木亮子氏、札幌市長の桂 信雄氏、北海道議会議長の酒井芳英氏、札幌市議会議長の高橋忠明氏、北海道教育長の相馬秋夫氏、北海道経済同友会代表幹事・大森義弘氏、北海道議会議員・伊東良孝氏はじめ多数の来賓方、また、今日庵老分の中野友雄氏、堀部公允氏、淡交会理事の大林剛郎氏、北海道地区内の同門ら約2800人が参加。




北海道道庁 札幌大通り公園


  淡交会札幌支部が北海道最初の支部として発会したのが、昭和21年9月。
  以来、発展を続け、現在17支部が道内各地で活動しています。第14代家元・淡々斎宗匠は、昭和39年の第6回北海道地区大会が終了した翌9月7日、阿寒湖畦にて急逝。
  茶道界に優れた指導力を発揮された淡々斎宗匠の遺徳を永久に伝えるため、昭和51年に札幌に顕彰の「無限碑」と茶室「無限庵」が建立。平成4年には、裏千家北海道茶道会館が竣工しました。


  13日午後、北海道地区役員・札幌第一支部役員の出迎えを受け、北海道茶道会館に入られた千 宗之若宗匠は、まず無限碑をお詣り。小雨の降る中、一碗を捧げられました。


記念茶会

  札幌第一支部担当の濃茶席・薄茶席が北海道茶道会館に、また、厚生年金会館には札幌第一支部担当の薄茶席、丸井今井デパートに青年部・学校茶道担当のふれあい席が懸かり、初秋の季節感溢れる趣向が喫客の心を魅了しました。

濃茶席(北海道茶道会館・嘉祥軒)


薄茶席(北海道茶道会館・無限庵)

薄茶席(厚生年金会館) ふれあい席(丸井今井デパート)

<学校茶道部席の参加校>
札幌若葉幼稚園・札幌市立南の沢小学校・札幌市立羊ヶ丘中学校・
札幌開成高等学校・札幌静修高等学校・札幌聖心女子学院・
北海道札幌厚別高等学校・北海道大麻高等学校・北海道札幌丘珠高等学校・
北海道札幌稲雲高等学校・道央吉井式和裁専門学校・
国立札幌病院附属看護学校・国立西札幌病院附属看護学校・天使大学・
藤女子大学(札幌キャンパス)・藤女子大学(花川キャンパス)・
北海道浅井学園大学


準教授・茶名拝受者・新入会員のつどい
正副支部長・幹事長会議

  13日午後4時から札幌グランドホテルにおいて開催。
準教授拝受者96人、茶名拝受者215人、新入会員61人、合計372人が参加し、若宗匠から励ましの言葉を受けました。
若宗匠は、『賓主歴然』という言葉に言及され、「亭主も客もお互いの立場を自覚して、稽古場を実践の場にしていただきたい」と参加者へ今後の修道の指針を分かりやすく示されました。
  引き続き、準教授・茶名拝受者を代表して、札幌第一支部の堀束宗博さんが謝辞を、また、新入会員を代表し、札幌第一支部の猪苗代陽子さんが誓いの言葉を述べました。

「つどい」にて準教授・茶名拝受者を代表し、
謝辞を述べる堀束宗博さん

  「正副支部長会議・幹事長会議」に引き続き、午後5時30分から、同ホテルにおいて懇親会が開催され、参加者は若宗匠共に和やかなひと時を過ごしました。

懇親会


大会記念式典

  翌14日、午前9時30分から厚生年金会館において大会記念式典を開催。
  若宗匠は、お茶湯の儀を厳修され、第43回北海道地区大会の盛会を利休大居士・歴代宗匠に奉告されると共に、そのご遺徳を偲び、一碗を利休居士画像に捧げられました。

北海道厚生年金会館 若宗匠によるお茶湯の儀

坂本支部長挨拶 大会参加者

  主催者を代表して、北川日出治北海道地区長の挨拶に続き、坂本眞一札幌第一支部長が挨拶。
  また、余湖汀一淡交会参事より大会決議が発表され、本大会の名において、札幌市に金一封が贈呈されました。

■ 若宗匠特別ご講演

  若宗匠は「皆さん方は稽古に対する心構えをお社中さんに分かるような指導をしてほしい。そのためには相手のいい所を見ようとする努力をしてほしい。相手の悪いところを見つけたら、いい所もあるはずだという気持ちでいる心の広さを持ちましょう」と語られるとともに、「今後も人にはやさしく、自分に厳しくこの道の修行を続けていただくことを祈念しています」と結ばれました。

講演される若宗匠