坐忘斎宗匠第十六代御家元継承記念
第44回北海道地区大会
豊穣の秋を迎えた帯広市において「一碗で感謝・合掌・仕え合い」をテーマに開催


  千 宗室家元を迎え、豊穣の秋の訪れを告げる帯広市において、9月19・20日の両日、「一碗で感謝・合掌・仕え合い」をテーマに、第44回北海道地区大会(北川日出治地区長)が開催されました。主管支部は帯広支部(中川昭一支部長・現経済産業大臣)。


大会式典


  帯広での北海道地区大会開催は12年ぶり。大会には、淡交会理事・裏千家調査役の大谷宗裕氏、同理事・納屋宗人氏、来賓に帯広市長・砂川敏文氏、釧路市長・伊東良孝氏、帯広市議会議長・鈴木孝昌氏はじめ地元知名士、地区内の同門社中、約1,800人が参加。


歓迎ムードに溢れる帯広駅 坐忘斎御家元筆の「山野豊穣金波動」の
軸のかけられた濃茶席


  参加者は、記念茶会、会議・つどい、懇親会、記念式典など、多彩なプログラムを満喫し、今大会のテーマである「一碗で感謝・合掌・仕え合い」の精神を実践。
  坐忘斎家元が説かれる「現代から失われつつある『日本的生き方』の大切さ、茶道の魅力」を地域の方々に伝える意義ある大会となりました。


●記念茶会

  19・20日の両日、とかちプラザ及び藤丸デパートを会場に三席が懸かりました。
  記念茶会のテーマは「継承・開拓・未来」。
  濃茶席の床には坐忘斎御家元筆の「山野豊穣金波動」、薄茶席の床には鵬雲斎大宗匠筆「和敬」がかけられ、祝意が込められた取り合わせと一碗が参加者を魅了。

濃茶席 とかちプラザ(担当 帯広支部) 薄茶席 とかちプラザ(担当 帯広支部)


ふれあい席 藤丸デパート
(担当 帯広支部青年部・学校茶道)
記念茶会会場の一つ藤丸デパート


<学校茶道の参加校> 道立帯広柏葉高等学校

  19日、北海道ホテルにおいて、準教授・茶名拝受者ならびに新入会員のつどい、正副支部長・幹事長会議に続いて、懇親会が催されました。


家元を囲んで和やかに記念撮影
(帯広支部)
家元を囲む会(お家元とメキシコから帰国された
ばかりの中川支部長)





●記念式典(20日) お茶湯の儀

家元によるお茶湯の儀


  20日午前9時30分より、帯広市民文化ホールにおいて式典を挙行。
  静寂に包まれた会場で、家元がお茶湯の儀を厳修され、大会の盛会を利休居士、歴代宗匠に奉告されるとともに、擔泉斎伊住宗晃宗匠の霊位に一碗を捧げられ、参加者は心一つに合掌しました。


●式典

  式典では、北川日出治地区長挨拶から、「最近の社会の変化には目覚しいものがあります。それだけにお茶の世界を見直していかなければならない時代であり、お茶は人々の心の拠り所です」と挨拶。その後、大会決議に基づき、帯広市青少年育成基金に金一封が贈呈されました。


北川地区長挨拶


式 典 功労者表彰


千 宗室家元ご挨拶

「本日は、空気が澄み渡って見事な十勝晴れとなり、昨日の雨が嘘のような天気となりました。淡々斎宗匠が来られた帯広には深い因縁を感じています。
今後家元宗家と社中との距離を近づけていかなければならないと思っています。昨今は景気が悪く、人間関係がぎすぎすしてますが、その要因はマニュアルに頼ることにあります。宗旦居士の言葉に『心に伝え、目に伝え、耳に伝え、一筆もなし』という言葉があります。皆さんがやさしい心で大勢の人と接することを祈念しています」


*特別講演

  家元は、講演に代えて担当の帯広支部会員より寄せられた質問に、時折ユーモアを交えながらさまざまな質問に丁寧に答えられ、参加者も熱心にメモを取りながら聞き入りました。