第38回北陸・信越地区大会
 
満開の桜のもと、本年度最初の地区大会を盛大に



濃茶席待合床



  4月14・15日、桜花満開となった富山市に、千 宗室家元夫妻を迎え、第38回北陸・信越地区大会(嵯峨逸平北陸地区長、下条進一郎信越地区長)が開催されました(主管・富山支部、桝田敬次郎支部長)。
  淡交会理事の大谷宗裕氏、来賓に富山県知事代理・岩元達弘氏、富山市長の森 雅志氏、高岡市長の橘慶一郎氏、衆議院議員の村井宗明氏、地区内外より同門社中ら約2500人が参加しました。


●大会日程
  14日は、富山全日空ホテルにおいて、午後2時より正副支部長・幹事長会議(学校茶道・青年部代表含む)、準教授・茶名拝受者ならびに新入会員のつどい、午後5時30分より懇親会。
  15日にはオーバード・ホールにおいて午前9時30分より大会式典。さらに両日にわたり記念茶会が催されました。





●記念茶会
  記念茶会の茶席は、富山支部担当で濃茶席(於:富山国際会議場)と薄茶席(於:富山全日空ホテル)、学校茶道・青年部担当で立礼席(於:富山国際会議場)が懸けられました。
  濃茶席、薄茶席ともに花・月の2席を設営、それぞれの対照の妙とともに、席入りの案内もスムーズで、清々しくもてなされました。
  さらに、国際会議場に展観席のほか、隣接する富山城址公園内の富山市佐藤記念美術館には開催中の「広田不孤斎コレクション 茶の湯の名品展」に合わせて青年部担当の呈茶席が設けられました。

  14日午後富山入りされた家元夫妻は、早速、茶席廻りへ。各席の趣を味わわれるとともに、支部会員らの接客ぶりをねぎらわれました。
  なお、学校茶道の参加校は、富山第一高等学校、富山短期大学の学生・生徒らと富山市立稲荷元町保育所の園児たち。


濃茶席・花(支部男性会員) 濃茶席・月(支部参与)


薄茶席・花(支部参与)は点茶盤で 薄茶席・月(支部幹事)は春秋棚で


立礼席 お出迎えをした幼稚園児たちと


富山市佐藤記念美術館にて


●会議・つどい
  「つどい」は、地区内で新しく準教授・茶名の資格取得者、ならびに新入会員が出席。
  家元は、「ここにくるまでにそれぞれがくぐってこられた関はまた次へと通じている。一人ひとりが歩む修行の道は、同時に後に続く後輩たちへの道標となるのです」と語りかけられました。
  また会議は、2地区内にある支部の正副支部長・幹事長が参集。家元、千 容子夫人より挨拶がありました。


つどいで挨拶される家元 会議で家元夫人挨拶


  午後5時30分からは、富山全日空ホテルにおいて懇親会が催されました。森 雅志・富山市長の乾杯の後、越中民謡「おわら」の披露。家元は各席を回られ記念撮影に応じられるなど和やかに盛り上がりました。




●大会式典
  翌15日は午前9時30分より記念式典を挙行。
  まず、家元がお茶湯の儀を厳修され、大会の盛会を利休大居士、歴代宗匠に奉告されるとともに物故会員の霊位に対して一碗を捧げられ、一同も静かに合掌の心を合わせました。


お茶湯の儀 嵯峨北陸地区長挨拶

家元挨拶 功労者表彰

「淡交会の歌」は富山県立呉羽高等学校合唱部のみなさんと一緒に


  式典では、嵯峨地区長並びに桝田支部長より歓迎の挨拶の後、大会決議を発表。それに基づいて、富山市城址公園茶室整備のために金一封を贈呈しました。
  家元は「自分の権利ばかり主張する世の中にあって、茶道を修道する私たちは、相手の立場を認め、一碗を介して互いの心を通じ合わせることができます。地区大会を通してその心が受け継がれていくからこそ茶の道が残っていくのです」と語られました。
  富山県知事代理・岩元達弘氏、富山市長・森 雅志氏より祝辞の後、功労者表彰。
式典最後は、家元による特別講演。家元は、もてなしについてユーモアを交えながら分かりやすく話され、講演は盛大な拍手をもって終了しました。