第44回信越・北陸地区大会




  5月24日(土)・25日(日)、佐渡市において、千 宗室家元夫妻、千 敬史様、千 万紀子様、伊住公一朗様、伊住禮次朗様が出席され、第44回信越・北陸地区大会(仁科惠敏信越地区長、荒井公夫北陸地区長、主管:佐渡支部・近藤基彦支部長)が開催されました。
  新潟県副知事の池田千絵子氏、佐渡市長の甲斐元也氏、衆議院議員の鷲尾英一郎氏、細田健一氏、東京藝術大学学長の宮田亮平氏、今日庵老分で関東第一地区副地区長の小坂敬氏、裏千家調査役の大谷宗裕氏はじめ多数の来賓、信越・北陸地区内外より900名を超える同門社中が参加しました。


●記念茶会
  24日、濃茶席(佐渡支部担当)、薄茶席(学校茶道担当)、薄茶席(青年部担当)が設けられ、参加者は佐渡の文化と風土に触れながら各席で心尽くしの一碗を楽しみました。


【濃茶席(佐渡支部)】(於:相川やまきホテル)
  佐渡島は世阿弥の来島以来約550年に亘り能が盛んな地域。佐渡支部による濃茶席は能舞台の設えによるもてなしでした。




【薄茶席(学校茶道)】(於:佐渡奉行所)
  薄茶席は地元の小・中・高校生による学校茶道席で、江戸時代、金銀山の運営が行われた佐渡奉行所(復元)において、佐渡の海を思い起こさせる設えでした。


演奏と踊りで家元一行を出迎える鼓童研修所研修生


たらい舟を用いた点前座


【薄茶席(青年部)】(於:佐渡金山選鉱場跡)




  青年部の薄茶席は、昭和初期、採取した鉱石をより分けた選鉱場跡において、好天の下、野点席が行われました。会員手造りの立礼棚「竹風棚」に宮田東京藝大学長制作によるイルカをモチーフにした水指や薄器などが取り合わされました。

  学校茶道の参加校は、佐渡高等学校、佐渡総合高等学校、相川高等学校、佐和田中学校、真野中学校、畑野中学校、真野小学校、金井公民館、真野公民館、鼓童研修所の計10校・団体。


●青年部のつどい(於・ホテル万長)
  24日午後3時30分より開催。青年部のつどいにはブロック内各青年部より71名が参加しました。
  家元は挨拶の中で「あれもこれもと無理に背伸びをするのではなく、今回の佐渡でのお茶席のように素直な姿で活動に臨んでいただきたい」と激励されました。




  また、「佐渡金山の歴史と世界遺産への取組み」のテーマの下、佐渡市役所世界遺産推進課の濱野 浩氏による講演が行われました。


●つどい・会議(於・ホテル万長)
  同日、午後4時30分より「準教授・茶名拝受者・新入会員のつどい」が開催されました。準教授・茶名拝受者を代表して、佐渡支部の中川宗豊さんが謝辞を、新入会員を代表して同支部の堂谷貴美子さんが誓いの言葉を述べました。




謝辞 誓いの言葉


  「正副支部長・幹事長会議」は午後4時30分より開催。家元に続いて家元夫人が挨拶されました。




●懇親会(於・ホテル大佐渡)
  午後6時より開宴。「鼓童」による演奏の後、仁科地区長、近藤支部長、家元からの挨拶、池田副知事、甲斐市長の来賓挨拶に続いて、細田衆議院議員の発声で乾杯。その後、宮田東京藝大学長の挨拶もあり、参加者は宗家を囲んで和やかに懇親を深めました。


「鼓童」による演奏


仁科地区長 挨拶 近藤支部長 挨拶


池田副知事 挨拶 甲斐市長 挨拶


宮田学長 挨拶


●大会式典(於・アミューズメント佐渡)
  25日午前9時より、大会式典を挙行。
  第一部「お茶湯の儀」では、家元が大会の開催を利休大居士、歴代宗匠に奉告、ご遺徳を偲ばれるとともに、昨年ご逝去された信越地区名誉地区長・長野県支部名誉支部長・下条進一郎氏をはじめ物故会員の霊位に対して一碗が捧げられました。




  第二部式典では、主催者を代表して大会会長の仁科地区長と大会委員長の近藤支部長が挨拶。


仁科地区長 挨拶 近藤支部長 挨拶


寄付金贈呈


  続いて、大会を記念して佐渡市の世界遺産推進基金へ金一封が贈呈されました。その後、家元が挨拶され、近藤支部長をはじめとする主管の佐渡支部に対し感謝の意が表されました。
  来賓を代表して泉田裕彦新潟県知事(代理・池田副知事)、甲斐市長が祝辞を述べられ、最後に次期大会を主管する石川南支部の前端雅峯副支部長より、2年後の大会の成功に向けた決意表明がありました。


池田副知事 祝辞 甲斐市長 祝辞


前端副支部長


  第三部の表彰では家元夫人挨拶の後、家元から功労者表彰として淡交フェローが授与されました。



淡交フェロー授与


  続く特別講演で、家元は「茶の湯は多くの先達の語り部によって守り伝えられてきました。そのことに感謝し、また語り伝えていくことの重さや重要性を心にとどめていただきたい」と語りかけられました。




  なお、式典前には、曽我ひとみ氏と「曽我さん母娘を救う会」の方々が、北朝鮮による拉致被害者救出に向けての署名を呼び掛け、多くの参加者が署名していました。