第41回関東地区大会
―おもてなし日本一を目指す街・宇都宮で開催―



  6月20・21日、栃木県宇都宮市において、千 宗室家元夫妻、伊住弘美様が出席され、第41回関東地区大会(高野孫左ヱ門関東第二地区地区長、上野豊関東第三地区地区長)が開催されました(主管・栃木県支部 福嶋寿克支部長)。
  淡交会理事の大谷宗裕氏、栃木県副知事の麻生利正氏、宇都宮市長の佐藤栄一氏(栃木県支部顧問)、衆議院議員の船田 元氏、参議院議員の矢野哲朗氏はじめ多数の来賓、関東第二・第三地区をはじめ全国より2,200人を超える同門社中が参加しました。




◇呈茶席・茶道体験講座
  開会に先立ち、栃木県支部青年部連絡会による呈茶席と栃木県支部による茶道体験講座が設けられました。
  呈茶席は「奥の細道」にちなんだ道具組。芭蕉の句が添えられたお菓子とともに一碗が呈されました。



  茶道体験講座はこの地区大会を記念した取り組みで、茶道未採用校へのアプローチの一環として計画されました。参加校を公募、応募校より文星芸術大学付属中学校の生徒56名が栃木県支部学校茶道連絡協議会会員の解説と指導で茶道を体験しました。





  会場に立ち寄られた家元は、初めて茶道にふれる参加者に、相手に感謝することの大切さなど茶道の精神について分かりやすく語りかけられました。また、生徒からの質問に応じられたり、生徒代表と互いに茶を点て合う一幕もありました。




●会議・つどい
  20日12時半より、宇都宮市文化会館において、準教授・茶名拝受者ならびに新入会員のつどいと正副支部長・幹事長会議(学校茶道・青年部代表含む)が開催されました。
「つどい」には、関東第二、第三地区内で新しく準教授・茶名の資格取得者、ならびに新入会員となった368名が出席。冒頭挨拶をされた家元は、「今まで書きためてきた自分というノートに、新しいノートを付け加えるつもりで、気負わずに学んでください」と参加者を励まされました。
  続いて、準教授・茶名拝受者を代表して栃木県支部 斉藤宗真さんが謝辞を、新入会員代表の同支部 苫米地幸子さんが誓いの言葉を述べました。


準教授・茶名拝受者代表謝辞 新入会員代表誓いの言葉


  また、「会議」には、両地区内の正副支部長・幹事長が参集。家元、家元夫人より挨拶がありました。




●大会式典
  つどい・会議に引き続き、14時より同館大ホールにおいて大会式典を挙行。
  第一部は「お茶湯の儀」。家元が大会の開催を利休大居士、歴代宗匠に奉告、ご遺徳を偲ばれるとともに、今大会を前にご逝去された中村勝和淡交会参事はじめ物故会員の霊位に対して一碗が捧げられ、一同心静かに合掌しました。




  第二部「式典」では、主催者を代表して高野孫左ヱ門 関東第二地区長(山梨支部長)の歓迎の挨拶に続き、福嶋寿克 栃木県支部長が挨拶。森田 均淡交会参事(群馬県支部長)より発表された大会決議に基づいて、栃木県と宇都宮市にそれぞれ金一封が贈呈されました。


高野地区長挨拶 栃木県、宇都宮市に寄付金を贈呈


  家元は挨拶で、「どんなに一人で生きていると思っている人も、周りの支えがあってこそここに居られるのです。互いに相手に心を向けあうことによって、和敬清寂の輪を拡げることができます」と話されました。
  続いて来賓を代表して福田富一栃木県知事代理の麻生利正副知事、佐藤栄一宇都宮市長、船田 元衆議院議員より祝辞が述べられました。


麻生副知事祝辞 佐藤市長祝辞


船田衆議院議員祝辞


  第三部「功労者表彰」では、千 容子家元夫人より挨拶の後、家元より各賞が授与されました。




  第四部「特別ご講演」は家元が登壇。家元は、「亭主が、自分の手に馴染んだもの、自分の心に触れるものを手の届く範囲で取り合わせ、尚且つそれがお客さまと亭主をつなぐ架け橋になってくれるのであれば、すなわちそれが『良い道具』なのです」と語りかけられました。




●懇親会
  18時からは、ホテル東日本宇都宮に会場を移し、懇親会が催されました。
軽快なリズムのジャズで始まった懇親会には、この日のために用意されたオリジナルカクテルや餃子屋台が用意され、関東各地より参集した参加者は多彩な宇都宮の名物でのもてなしに楽しいひと時を過ごしました。





●記念茶会
  翌29日の記念茶会は、同ホテルに濃茶席(福嶋寿克支部長担当)、薄茶席(栃木県支部担当、学校茶道連絡協議会担当)の3席が懸けられました。
  家元夫妻は、各席の趣向をゆっくりと味わわれ、担当の支部役員会員にねぎらいの言葉をかけられました。

◇濃茶席(栃木県支部長担当)
  席主である福嶋支部長のお心入れによる設えの濃茶席。それぞれの道具に込められた思いが丁寧に伝えられ、参席者は名品の数々を堪能しました。


一山一寧筆「東山水上行」


◇薄茶席(栃木県支部担当)
  軸は、鵬雲斎大宗匠筆「無事是好年」。
  席を担当する役員・会員方からは「本年、主管支部としてお客さまを迎えることのできる喜びを感じております」との言葉があり、心尽くしの一碗が呈されました。



◇学校茶道席(栃木県支部学校茶道連絡協議会担当)
  丸、三角、四角の三つの和親棚には、それぞれ伝統的な道具、世界各国の見立て道具、栃木県にゆかりのある道具の取り合わせ。
  園児・生徒・学生が多数参加し、当地の学校茶道の充実振りが窺われました。


園児から栃木銘菓のお土産


  学校茶道の参加校は、中川保育園、須藤保育園、逆川保育園、住吉保育園、茂木愛泉幼稚園、茂木中央幼稚園、作新学院幼稚園、鬼怒川台幼稚園、静和幼稚園、きぬ川学院中学、豊岡中学、作新学院中等部、宇都宮海星女子学院高校、宇都宮女子高校、國學院大學栃木高校、石橋高校、宇都宮清陵高校、益子芳星高校、鹿沼農業高校、関東学院大学付属高校、宇都宮文星女子高校、佐野松陽高校、真岡北陵高校、宇都宮商業高校、鹿沼高校、栃木女子高校、日光名峰高校、上三川高校、大田原女子高校、真岡女子高校、宇都宮工業高校、佐野清澄高校、宇都宮南高校、今市高校、鹿沼東高校、烏山女子高校、高根沢商業高校、作新学院高等部、馬頭高校、茂木高校、自治医科大学、國學院大學、作新学院大学、結城子ども教室の皆さん。点前・お運びなどに大活躍でした。