第51回九州地区大会
温かなもてなしの心あふれて




  10月20・21日、福岡県久留米市において、千 宗室家元が出席され、第51回九州地区大会(後藤豊彦地区長)が開催されました(主管・久留米支部、緒方久人支部長)。
  淡交会理事の大谷宗裕氏、福岡県知事代理・出納長の江口信介氏、久留米市長の江藤守國氏(久留米支部顧問)、衆議院議員の鳩山邦夫氏(久留米支部顧問)はじめ多数の来賓、九州地区内外より3500人を超える同門社中が参加しました。


●大会日程
  20日は、ルネッサンスホテル創世久留米において11時30分より正副支部長・幹事長会議、石橋文化センターにおいて12時30分より準教授・茶名拝受者・新入会員のつどい、14時より大会式典、17時30分より再び同ホテルにおいて懇親会。記念茶会は20・21日両日にわたり市内各所において6席が設けられました。

  21日昼に久留米入りされた家元は、早速正副支部長・幹事長会議へ出席された後、石橋文化センターへ移動、準教授・茶名拝受者・新入会員のつどいに出席されました。


新入会員より誓いの言葉


  大会式典は石橋文化センター文化ホールにおいて挙行。メインの文化ホールは立錐の余地ないほどに埋まり、さらに入りきれない参加者たちは第二〜第四会場でモニターを通して舞台上を見つめていました。
  第一部「お茶湯の儀」。家元が大会の盛会を利休大居士、歴代宗匠に奉告、ご遺徳を偲ばれるとともに物故会員の霊位に対して一碗を捧げられ、一同も静かに合掌。
  第二部「式典」では、主催者を代表し、後藤豊彦地区長が挨拶で「九州は一つという一体感で発展してきました。本大会において裏千家茶道の心を地域社会の中で広く継承しつづけ世の中に明るさとゆとりを加えていきたい」と語られ、続いて緒方久人支部長より「筑後地方では昔から『家に来たらほとめくばい』とお客様を暖かく迎えもてなしてきました。心から皆様をほとめきたい」と歓迎の挨拶。発表された大会決議にもとづいて、久留米市にふるさと文化創生基金として金一封が贈呈されました。
  家元は「茶の湯とは日本文化のポータルサイトのようなもの。若い人たちに茶の湯を通して“日本”を体験させることで、歴史を辿り未来への望みがつづいていくのです」と語られました。
  第三部「表彰会」では、家元より各賞が授与されると会場は拍手に包まれました。
  第四部「特別ご講演」は家元が登壇。家元は、茶と禅について話し進められ、「まず掛物の禅語と対座してみてください」と語りかけられました。


お茶湯の儀 久留米市へ寄金の贈呈


淡交会の歌斉唱 功労者表彰を受けて


家元による講演


  ルネッサンスホテル創世において催された懇親会には、鳩山邦夫氏の祝辞、江藤守國市長による乾杯の後、家元は各席を回り記念撮影に応じられるなど、会員らと和やかに懇談されました。







●記念茶会
  ルネッサンスホテル創世に、濃茶席2席(支部長担当・支部担当)・薄茶席(学校茶道担当)の3席、久留米市役所に薄茶席(支部担当)、石橋美術館に薄茶席(青年部担当)、さらに六角堂広場に「ほとめき席」(支部担当)が設けられました。参加者らは、各席を廻りながら、会場となった石橋美術館や久留米井筒屋で開催の「柳原焼(久留米藩主有馬家九代頼徳公お庭焼)特別展」を拝観。爽秋の久留米は、華やかな着物姿とお茶の香りに満たされていました。


濃茶席〈支部長席〉:緒方支部長のお点前で男性会員らによるおもてなし


濃茶席〈支部席〉:女性会員らが細やかに 薄茶席〈支部席〉:会場のモダンさも取り込んで


薄茶席〈学校茶道席〉:園児・小学生と高校生・大学生たちが息を合わせて


  学校茶道の参加校は、久留米大学医学部、久留米大学、久留米信愛女学院短期大学、福島高等学校、明善高等学校、小郡高等学校、信愛女学院高等学校、東明館中学校、大和中学校、下妻小学校、大刀洗保育園、海ノ星保育園のみなさん。


薄茶席〈青年部席〉:揃いの久留米絣の着物姿で爽やかに


薄茶席〈ほとめき席〉:開放的な市民広場で一服