第54回九州地区大会




  10月16・17日、福岡市において、千 宗室家元夫妻と長女・万紀子様、伊住弘美様が出席され、第54回九州地区大会(後藤豊彦地区長)が開催されました(主管・福岡支部、松本昇三支部長)。
  福岡県知事の麻生 渡氏(博多・福岡支部連合会顧問)、福岡市長の吉田 宏氏(同連合会顧問)、前衆議院議員の太田誠一氏(同連合会顧問)、今日庵老分の加賀美郷氏、淡交会理事の大谷宗裕氏はじめ多数の来賓、九州地区をはじめ各地より3600名を超える同門社中が参加しました。

  福岡入りされた家元一行は、大徳寺と縁の深い崇福禅寺を訪問。崇福禅寺は大應国師南浦紹明を開山祖とする鎌倉時代から続く名刹で、福岡藩主黒田家の菩提寺です。前日に入寺式を済まされたばかりの岩月海洞老師の案内により、崇福禅寺所蔵の茶道具や茶室を拝観されました。






●大会日程
  16日、15時30分よりホテルオークラ福岡において「正副支部長・幹事長会議」、福岡サンパレスにおいて「準教授・茶名拝受者・新入会員のつどい」、17時30分よりホテルオークラ福岡において「懇親会」。そして17日は9時30分より福岡国際会議場において「大会式典」。また、16日・17日の両日にわたり「記念茶会」が催されました。





●記念茶会
  福岡国際会議場には「福岡とお茶」のテーマのもと、濃茶席2席(松本昇三支部長、福岡支部参与担当)、薄茶席2席(福岡支部、青年部担当)、そして学校茶道担当の香煎席の計5席が設けられました。家元は各席の趣向を味わいながら一碗を楽しまれました。


◇濃茶席(松本支部長担当)




◇濃茶席(福岡支部参与担当)




◇薄茶席(福岡支部担当)




◇薄茶席(青年部担当)
  青年部席は、明年三月に開催の青年部第十五回全国大会プレ行事「わたしの一碗運動」を兼ねての開催となりました。




◇香煎席(学校茶道担当)




  学校茶道の参加校は、壱岐小学校、壱岐中学校、福岡大学、福岡女学院大学、中村学園大学、筑紫女学園大学、筑紫女学園大学短期大学部の皆さん。


●会議・つどい
  16日午後、記念茶会を回られた宗家方は「準教授・茶名拝受者・新入会員のつどい」へ。続いて「正副支部長・幹事長会議」に出席されました。
「つどい」には、準教授・茶名の拝受者、ならびに新入会員の計365名が出席。家元は「楽しみながら時に厳しくお茶を学ぶ中で、皆さん方には世の中を照らす輝きになっていただきたいと思います」と挨拶されました。
  また、「会議」には、九州地区役員、及び地区内各支部の正副支部長・幹事長が参集しました。




準教授・茶名拝受者代表謝辞
福岡支部 伊達 宗富さん
新入会員代表「誓いのことば」
同支部 藤木 早葉さん




●懇親会
  続いて17時30分からは、ホテルオークラ福岡に会場を移し、懇親会が催されました。
開会に先立ち、青年部会員 花柳輔三紫による祝舞「福寿三番叟」が舞われました。
  後藤地区長、家元挨拶の後、吉田 宏福岡市長による乾杯と続き、家元は各席を回り記念撮影に臨まれました。


祝舞「福寿三番叟」 吉田市長の発声で乾杯


●大会式典
  大会式典は福岡国際会議場において挙行。
  第一部「お茶湯の儀」。家元が大会の開催を利休大居士、歴代宗匠に奉告、ご遺徳を偲ばれるとともに、物故会員の霊位に対して一碗を捧げられました。




  第二部「式典」では、主催者を代表して後藤豊彦地区長が挨拶、続いて松本昇三支部長から歓迎の言葉が述べられました。石村僐悟参事より発表された大会決議にもとづき、福岡市文化芸術振興財団に金一封が贈呈されました。
  家元は「たくさんの人との出会いは、人生において大きな支えとなります。この大会を契機に、より多くの人間関係という宝をつむがれますように期待しています」と話されました。
  つづいて、麻生 渡福岡県知事、吉田 宏福岡市長より来賓祝辞。


後藤地区長挨拶 松本支部長挨拶


石村参事より大会決議発表 家元挨拶


  家元夫人の挨拶の後、第三部「表彰会」では、家元より各賞が授与されると会場は拍手に包まれました。


家元夫人より挨拶 表彰会


  第四部は家元の特別講演。家元は、禅語「牛飲水成乳」を引いて「人間は清らかな本来の姿である“牛”と、人生で積み重ねたものの中の悪いものが呼び起こす“蛇”を持っています。先人の方々の努力で続いてきた茶の湯の世界に私たちがいられるのは、牛と蛇との葛藤の中で牛が常に勝利し、今日までしっかりと枝葉を伸ばしてきたからではないでしょうか」と参加者に語りかけられました。


特別講演