坐忘斎宗匠第十六代御家元継承記念
 
第40回山陰地区大会
 
錦秋の米子市において「一碗で感謝・合掌・仕え合い」をテーマに開催


  千 宗室家元夫妻を迎え錦秋の米子市において、10月24・25日の両日、「一碗で感謝・合掌・仕え合い」をテーマに、第40回山陰地区大会(絲原義隆地区長)が開催されました。主管支部は米子支部(門脇卓爾支部長)。




  米子での山陰地区大会開催は平成8年以来7年ぶり。大会には、淡交会理事・裏千家調査役の大谷宗裕氏、同理事・納屋宗人氏、今日庵老分・淡交会理事の米原正博氏、来賓に米子市長・野坂康夫氏、元国務大臣・相沢英之氏、同令夫人・司 葉子氏はじめ地元知名士、地区内の同門社中、約1700人が参加。


香煎席入口のコスモスとススキが参加者をお迎え 米子市内から秀峰「大山」を望む


  参加者は、記念茶会、会議・つどい、懇親会、記念式典など、多彩なプログラムを満喫し、今大会のテーマである「一碗で感謝・合掌・仕え合い」の精神を実践。
  坐忘斎家元が説かれる「現代から失われつつある『日本的生き方』の大切さ、茶道の魅力」を地域の方々に伝える意義ある大会となりました。





●記念茶会

濃茶席(於 米子ワシントンホテルプラザ)


  24・25日の両日、米子ワシントンプラザに支部長・参与担当の濃茶席、米子コンベンションセンターに米子支部担当の薄茶席、米子市文化ホールに米子支部伯耆青年部担当の青年部席の三席が懸かりました。また、25日には、米子支部学校茶道連絡協議会担当の香煎席が家元一行はじめ参加者を笑顔でおもてなし。香煎席の入り口には、薄とコスモスが飾られ、深まりゆく山陰の秋を感じさせました。

  濃茶席の床には清巌和尚筆「圓相」、薄茶席の床には円能斎筆「南山祝寿長」、また、青年部席には坐忘斎家元筆短冊「白露垂珠滴秋月」がかけられ、参加者は心の込められた一碗を堪能しました。


薄茶席(於 米子コンベンションセンター)


青年部席(伯耆青年部担当 於 米子市文化ホール)


香煎席(於 米子コンベンションセンター)


<学校茶道の参加校>
・県立米子西高等学校 ・県立米子南高等学校 ・県立米子工業高等学校
・県立赤碕高等学校 ・県立日野高等学校 ・米子松蔭高等学校
・米子北高等学校 ・米子女子学園





●つどい・会議

  24日には米子コンベンションセンターホールにおいて準教授・茶名拝受者ならびに新入会員のつどい、また、米子全日空ホテルにおいて正副支部長・幹事長会議が開催され、引き続き、懇親会が催されました。
  千 宗室家元は、つどいで「昨日までの皆さん方の延長線上に今日という一日があります。それぞれの立場で、それにふさわしい努力をしていくこと、この道に一生携わるという決意を大切にし、修行を楽しむこと、そして、『発心』を大切にしてください」と語られました。


家元挨拶 千 容子家元夫人挨拶





●懇親会・お家元を囲む会

家元挨拶 千 容子家元夫人挨拶


懇親会


お家元を囲む会


家元を囲んで和やかに記念撮影





●記念式典
  *お茶湯の儀

家元によるお茶湯の儀


  25日午前9時30分より、米子コンベンションセンターにおいて式典を挙行。
静寂に包まれた会場で、家元がお茶湯の儀を厳修され、大会の盛会を利休居士、歴代宗匠に奉告されるとともに、擔泉斎伊住宗晃宗匠の霊位に一碗を捧げられ、参加者は心一つに合掌しました。


  ※式典

絲原地区長挨拶


  式典では、絲原地区長、門脇支部長がそれぞれ挨拶をされ、「山陰の名峰・大山を控え、紅葉に彩られた米子市で、坐忘斎宗匠第十六代御家元継承記念の地区大会を開催できることは光栄です。このような大会を通して真心を一人でも多くの人に伝えていくことに茶道の意義があります」と語られました。
  続いて、淡交会参事の中尾喬一氏が大会決議を発表。これに基づき米子市福祉協議会に金一封が贈呈されました。

  そして、家元が挨拶に立たれ、「山陰地区は都会のお茶では味わえないふるさとの香り に恵まれています。山陰の各支部は小間のお茶に共通する相(すがた)をもっています。大勢の方が集まっておられても、一亭一客、小間のお茶の香りがいたします。これからも、自分のお茶を楽しんでいっていただきたい」と語られました。
  その後、来賓の鳥取県知事代理 鳥取県出納長・谷口興治氏、野坂康夫・米子市長の挨拶に続いて、元国務大臣の相沢英之氏が挨拶。


功労者表彰


  続く宗家とのつどいでは、功労者表彰が行われ、特別講演では、千 宗室家元が恒例の一問一答を行われ、担当の米子支部会員より寄せられた質問に、時折ユーモアを交えながらさまざまな質問に丁寧に答えられ、参加者も熱心にメモを取りながら聞き入りました。