第46回山陰地区大会
―みどり滴る秀峰・大山(だいせん)の麓で開催―




  6月27・28の両日、千 宗室家元夫妻、伊住弘美様が出席され、鳥取・島根・岡山の3県にまたがる大山を望む大山ロイヤルホテル(鳥取県西伯郡)を会場に第46回山陰地区大会(八村輝夫地区長・鳥取支部名誉支部長)が開催されました。(主管・境港支部、庄司尚史支部長)
  鳥取県知事の平井伸治氏(鳥取支部顧問)、境港市長の中村勝治氏(境港支部副支部長)、米子市長の野坂康夫氏(米子支部副支部長)、衆議院議員の赤澤亮正氏(米子・境港支部顧問)、一畑薬師管長の飯塚大幸氏(島根支部顧問)ほか多数の来賓をはじめ、地区内外から1100名を越える同門社中が参加しました。

●大会日程(会場はいずれも大山ロイヤルホテル)
  27日は15時から「正副支部長・幹事長会議」と「準教授・茶名拝受者ならびに新入会員のつどい」、17時30分から「懇親会」を開催。28日は「大会式典」が行われました。また27・28日の両日「記念茶会」が催されました。主管の境港支部は会員約170名(内70名は隠岐島在住)と小規模ながら心を一つに参加者を迎えました。





●記念茶会
◇濃茶席(庄司宗尚支部長担当)
  支部長心尽くしの取り合わせで一碗を喫された家元は、当日の朝、宗家の茶室「咄々斎」にも本席と同じ「坐看雲起時」(淡々斎筆)を掛けられたことなどを披露。席中では和やかに主客の会話が交わされました。





展観席にてお道具をじっくり拝見


◇薄茶席(支部・青年部担当)
  白木の鳥居を潜って席入りすると、大山の大神山(おおがみやま)神社の樹齢450年のご神木を用いて今大会のために特別に制作された立礼棚を中心にした道具組。古くから人々の信仰をあつめる大山の麓での茶席に相応しいしつらいで一碗が呈されました。


お菓子はおみくじ付き。絵馬形のへぎ板にのせて

倒れたご神木を頂戴してから立礼棚が出来上がるまでの過程がパネルで展示されました



◇香煎席(学校茶道連絡協議会担当)
  境港支部会員が指導するみどり幼稚園・聖心幼稚園の園児、安来南小学校の児童、境港総合後術高等学校の生徒が仲良く協力して当地ゆかりの「ゲゲゲの鬼太郎」の趣向でおもてなし。参加者は園児、児童、生徒の元気なごあいさつに迎えられ、大山の名水を用いた香煎を味わいました。




●会議・つどい
  15時からの「準教授・茶名拝受者並びに新入会員のつどい」と「正副支部長・幹事長会議」には千 宗室家元夫妻、伊住弘美様が出席。家元は新たな修道の段階へと進む会員を激励され、本大会の開催にあたり尽力された地区役員・各支部役員に感謝の意を表されました。


準教授ならびに茶名拝受者代表「謝辞」
境港支部 野坂宗純さん
新入会員代表「誓いの言葉」
境港支部 角本知佳さん

正副支部長・幹事長会議


●懇親会
  17時30分からの懇親会では、八村輝夫地区長、庄司尚史支部長、家元の挨拶の後、来賓を代表して赤澤亮正衆議院議員の祝辞、中村勝治境港市長による乾杯と続きました。
  漫画家・水木しげるの出身地として知られる街・境港。妖怪にちなんだゲームも行われ、賑やかに盛り上がりました。

八村地区長挨拶 庄司支部長挨拶

赤澤議員からの祝辞 中村市長の発声で乾杯

  家元は中村市長とともに別会場に設けられた境港支部の懇親会席にも足を運ばれ、支部役員・会員の労をねぎらわれました。


中尾喬一副地区長による中締め


●大会式典


  28日9時30分から大会式典が挙行されました。第1部では、家元が「お茶湯の儀」を厳修され、大会の開催を利休大居士ならびに歴代宗匠に奉告、ご遺徳を偲ばれるとともに、物故会員の霊位に対して一碗を捧げられ、一同も静かに合掌しました。


  第2部「式典」では、主催者を代表して八村地区長の挨拶、庄司支部長から歓迎の挨拶、絲原徳康副地区長から大会決議が発表され、それに基づき境港市に「境港市緑と文化のまちづくり基金」として金一封が贈呈されました。
  その後、家元挨拶に続いて、平井伸治鳥取県知事、中村市長から祝辞がありました。

八村地区長から境港市長に金一封を贈呈 家元の挨拶

淡交会の歌を斉唱

  第3部「表彰会」では、家元夫人の挨拶の後、家元から各表彰者に各賞が授与されました。

家元夫人挨拶

  第4部は「特別講演」。冒頭、家元は前日に廻られた記念茶会の各席を振り返り、支部の役員・会員が一丸となったおもてなしに感謝の意を述べられました。
  何事に対しても満足感を得にくい現代の世相を踏まえながら、人間が自らの心の二面性と素直に向き合い、前向きな姿勢で物事に臨むことの重要性を説かれる家元の言葉に、参加者は熱心に聴き入りました。