第38回東海地区大会
 
2000年の時を刻む神宮に抱かれて3000人が参う
日本人の心の故郷に緑の一碗を重ねて


  6月14・15日、社団法人茶道裏千家淡交会第38回東海地区大会(富田和夫地区長)が、三重南支部(濱田益嗣支部長)の主管により、伊勢市・鳥羽市で開催。
  神宮の町・伊勢。清冽な五十鈴川の流れと森閑とした聖なる神域は、2000年の時を経て尊崇を集めると同時に、「お伊勢さん」として親しまれ、文字通り「日本人の心の故郷」であり続けてきました。伊勢はまた、志摩の複雑な海岸線を擁し、風光の美しさにも秀でたところ。その地での地区大会は、大会スローガンの「一碗からピースフルネスを 茶心をふかめてつくる和の世界」にふさわしく、梅雨のさなかの時季に清々しさあふれる大会となりました。

  宗家より千 宗之若宗匠、伊住宗晃宗匠がご臨席、来賓には三重県副知事の吉田 哲氏、衆議院議員の藤波孝生氏、田村憲久氏、伊勢市長の水谷光男氏、鳥羽市長の井村 均氏、松阪市長の野呂昭彦氏、皇學館大學理事長の上杉千郷氏はじめ多数ご列席の中、東海地区内の淡交会会員ら約3000人が参加して、2日間にわたり、記念茶会、会議・つどい、懇親会、大会記念式典を開催しました。

  宗家方は、14日、会場到着後、まず茶席に参席。続いて、準教授・茶名拝受者・新入会員のつどい、正副支部長・幹事長会議、夕刻より懇親会に出席され、県内の各界著名士、主管支部はじめ地区内会員らと親しく歓談。


●大会記念式典
  15日午前9時半より。若宗匠によるお茶湯の儀で開幕。吉田 哲副知事、水谷光男伊勢市長、田村憲久衆議院議員より祝辞をいただいたほか、大会決議に基づき、青少年への伝統文化振興と継承を図るための資金として伊勢市に金一封を贈呈。続いて、淡交会会員の功労者表彰、若宗匠の特別講演が行われました。

メイン会場の三重県営サンアリーナ 千 宗之若宗匠によるお茶湯の儀

大会記念式典 講演される若宗匠


記念懇親会の舞台で「早餅つき」の輪に、
若宗匠、伊住宗匠も加われて、ぺったんこ!
青年部の懇親会では、夏の「サマーコンファレンス」
参加者が決意表明 オーッ!


●記念茶会
  サンアリーナの一翼・サブアリーナとロビーにおいて、主管支部が支部長・青年部・学校茶道3者それぞれに懸け釜。広いホールに濃茶・薄茶の2席を設けましたが、各席を本席と待合に仕切り、誘導もスムーズに。取り合わせは神宮の雰囲気を醸し出すよう工夫し、菖蒲を飾った青年部の設いは清々しさあふれるもてなしでした。また、薄茶席の菓子「赤福」は、屋台の実演で、その場で餅に餡をくるんで供されて好評。

濃茶席(支部長席)
薄茶席(青年部連絡会)
ふれあい席(学校茶道連絡協議会)
  参加校は、明野高等学校、宇治山田商業高等学校、宇治山田高等学校、伊勢工業高等学校、伊勢高等学校、鳥羽高等学校、松阪高等学校、松阪商業高等学校、志摩高等学校、南勢高等学校、すばる学園高等学校、水産高等学校、相可高等学校、長島高等学校、尾鷲高等学校、木本高等学校、伊勢女子高等学校:以上17校、生徒119人生徒・引率教員23人:順不同。

広いホールを仕切り、待合と本席に 濃茶席の取り合わせを拝見される若宗匠、伊住宗匠

薄茶席の菓子はできたての「赤福」 菖蒲も清々しい薄茶席

神宮(外宮)の匂玉池をイメージした薄茶席の設い 終日にぎあいを見せたふれあい席





茶道文化フェスティバル「ディスカバー 茶・Cha・チャ!」


  15日には、同会場で、淡交会東海地区・三重南支部が主催し、茶道文化フェスティバルを開催。近隣の高校生や先生約500人が参加しました。体験コーナーでは青年部会員らがお点前のてほどきを。
  午後1時半からは、若宗匠が『心をみつめよう』と題しての講演。ご自身の経験をふまえつつ、「大人とは自分をコントロールでき、責任の持てる人のこと」とし、祖先から途切れない生命のつながりの大切さについて、ユーモアを交えながら分かりやすく語りかけられました。

講演される若宗匠
   
 
  講演後、生徒たちからはユニークな質問が続出

体験コーナーは生徒たちの歓声でいっぱい