第44回東海地区大会




  10月16日〜18日、愛知県名古屋市において、千 宗室家元夫妻、伊住弘美様が出席され、第44回東海地区大会(大会会長:富田和夫地区長)が開催されました。(主管・愛知第三支部、大会委員長:日比賢昭支部長)
  愛知県知事の神田真秋氏(愛知支部連合会特別顧問)、名古屋市長の松原武久氏(愛知支部連合会特別顧問)、淡交会理事の大谷宗裕氏、淡交会顧問の天江喜七郎氏、東海地区をはじめ各地より総勢3200名の淡交会会員・同門社中が参加しました。


● 記念茶会
  記念茶会は名古屋市東部・八事にある老舗料亭・八勝館に濃茶席(富田和夫地区長担当)と薄茶席(愛知第三支部担当)の2席が設けられました。
  17日午後に名古屋入りされた家元は、早速記念茶会へ。両席とも茶どころ・名古屋と縁の深い道具組で味わい深い一碗が呈され、家元は席主ならびに担当の会員に感謝の言葉をかけられました。


【濃茶席】
  裏千家十三代円能斎と、席主である富田地区長の祖父・富田重助(宗慶)氏が同じ申年(明治5年)の生まれで親交が厚かったことから、寄付の床には円能斎筆「猿菴」が掛けられるなど、今日までの裏千家との深いご縁が随所に感じられる席となりました。また、昨年、千 玄室大宗匠、家元夫妻が富田地区長の傘寿記念茶会のおりに贈られた軸、茶杓、傘も設えられました。
  本席にはゆかりの品々が飾られ、参席者はじっくりと拝見し名品の数々を堪能。富田地区長のお心入れの席で和やかなひと時を過ごしました。


本席

円能斎筆「猿菴」
本席


【薄茶席】
  裏千家十一代玄々斎と兄の又日庵(渡辺規綱)、尾張徳川家十二代知止斎(徳川斉荘(なりたか))公のご縁にちなんだ道具組がなされました。


又日庵筆「富士山画賛」 知止斎公筆
「杉盛 以霧降滝水書之」
玄々斎作 竹吹貫置筒
銘 「仙風」


● 会議・つどい
  17日午後4時より、名古屋市中心部にある名古屋観光ホテルにおいて「正副支部長・幹事長会議」、「準教授・茶名拝受者ならびに新入会員のつどい」が開催されました。 家元は「自分の歩幅で歩んでいくことが背伸びをしない茶の湯に繋がります。自分の歩みを振り返り、一歩一歩を大切に歩んでください」と出席者に語りかけられました。


正副支部長・幹事長会議


準教授・茶名拝受者代表「謝辞」
愛知第三支部 竹田宗貴氏
新入会員代表「誓いの言葉」
同支部 平田由紀子氏


● 懇親会
  午後5時30分からは、同ホテル那古の間において懇親会が催されました。富田地区長、家元、家元夫人の挨拶に続き、日比支部長による乾杯発声の後、家元は各席を回り記念撮影に応じられるなど、会員らと和やかに懇談されました。




● 憩いのサロン
  大会懇親会に併行して午後6時30分から曙の間にて「憩いのサロン」が開催。日比支部長の挨拶に続き、淺沼宗博参事(東海地区委員長)の乾杯発声により開会し、青年部正会員の他、「準教授・茶名拝受者ならびに新入会員のつどい」の出席者も含め、約250名が親睦を深めました。
  大会懇親会を終えた家元、大谷理事も合流し会員と和やかに歓談。参加者との記念撮影もあり、思い出深い会となりました。




● 大会式典
  大会2日目、午前10時より愛知芸術文化センター大ホールにて大会式典を挙行。
  第一部「お茶湯の儀」。家元が大会の盛会を利休大居士、歴代宗匠に奉告、ご遺徳を偲ばれるとともに物故会員の霊位に対して捧げられた一碗に、一同も静かに合掌の心を重ねました。




  第二部「式典」では、主催者を代表して富田地区長より歓迎の挨拶に続き、日比支部長が挨拶。発表された大会決議に基づいて、名古屋城本丸御殿積立基金に金一封が贈呈されました。
  家元は「私は地区大会の会場へ向かって良い旅をさせていただいているつもりで参加しております。今後も参加される皆様方にとって適切な形で、また担当される支部の皆様にとっても無理のない地区大会を開催していただきたいと思います。支部から支部へのバトンリレーが途切れることなく素晴らしい形で継承されることを願っております」と語られました。
続いて来賓の神田真秋愛知県知事、松原武久名古屋市長より祝辞。
来年度地区大会主管支部となる富士支部の牧田一郎支部長による挨拶で式典は閉会しました。


富田地区長挨拶 日比支部長挨拶 牧田富士支部長挨拶


  式典には、岐阜薬科大学・岐阜市立女子短期大学・三重短期大学・三重大学・豊橋技術科学大学・城大学本部・南山大学・愛知江南短期大学・大同工業大学・名古屋大学・名古屋文化短期大学・人間環境大学の皆さんも参加しました。

  第三部との幕間に「淡交会の歌」が斉唱された後、国連広報センター等の呼びかけによる貧困・不平等問題解消のための世界的な行動スタンド・アップ・テイク・アクション≠ェ行われました。千玄室大宗匠(日本国連協会会長、日本・国連親善大使)がスタンド・アップ・サポーター≠務められていることが紹介され、式典参加者2200名が参加。この立ち上がり行動が、貧困問題や不平等について考え行動に移すきっかけとなることが期待されます。




  第三部「表彰会」では、家元より各賞が授与されると会場は拍手に包まれました。
  第四部「特別ご講演」は家元が登壇。家元は、「先生方が長い時間でなさってこられた点前の姿を社中に見せてあげてください。100万の言葉を語るより師弟の距離が縮まり、弟子が師に一歩近づく道を見つけられるのではないでしょうか」と語りかけられました。
  第四部終了後には祝儀舞が披露され、会場は祝意に包まれました。


講演される家元 京舞「口切」


● 呈茶席
  式典会場10階のカフェレストランとテラスには愛知第三支部・同青年部・同学校茶道の三者合同による呈茶席が設けられました。
  秋の風情を趣向とし大会盛会の祝意をこめた茶席では、常滑焼の銘々皿が参加者にプレゼントされ、秋晴れの爽やかな空のもと大勢の参加者に一碗が呈されました。




  呈茶席参加校は、旭野高等学校・大府東高等学校・武豊高等学校・知多翔洋高等学校・常滑高等学校・半田東高等学校・明和高等学校・横須賀高等学校・猿投農林高等学校・愛知みずほ大学短期大学部・名古屋短期大学・中京女子大学のみなさん。