中国芸術研究院一行を裏千家が招聘

─日中国交正常化30周年の年、さらなる交流を願って─


  千 宗室家元並びに千 宗之若宗匠の招聘により王 文章常務副院長を団長とする中国芸術研究院訪日代表団一行5名が、10月20日より25日まで来日、京都訪問だけでなく山梨県の身延山久遠寺献茶式にも参列されるなど裏千家との日中交流の深さが伺えられました。
  中国芸術研究院は中国三大研究院のひとつとして中国文化部に所属し、中国ならびに諸外国の文化・芸術の研究と研究者の養成を行っており、このたびの訪日は裏千家が日中国交正常化30周年記念事業のひとつとして招いたもの。


王 文章団長を迎えるお家元


一行は身延山九遠寺の献茶式に参列


  10月22日、翌日の献茶式に先立って千 宗室家元は甲府市内で夕食会を催し、訪日団を歓迎されました。席上、王団長より千宗室家元へ中国芸術研究院芸術顧問への就任要請がありました。芸術顧問は院長、副院長と同格と言われ、前月に受賞された「中国・文化交流貢献賞」と共に千宗室家元のこれまでの日中両国の文化交流への貢献が高く評価されてのこと。夕食会は中国での文化・芸術の様子から今後の日中文化交流の重要性等多岐にわたる話題となりました。


夕食会には高野孫左ヱ門・淡交会山梨支部支部長、上原勇七並びに齋木武博・同副支部長、
深沢登志夫山梨県会議員、関根秀治・裏千家淡交会専務理事が同席。



  また、一行は10月22日午前、京都・今日庵を訪問。千 宗之若宗匠は茶室『咄々斎』にて一行に一碗のお茶を差し上げられました。日中両国の友好が萬倍の実りを迎えるようにとの気持ちを込めた銘「一粒萬倍」の棗の他、中国と関わりのある古い道具という趣向を凝らしてのお迎えでした。王 文章団長は千宗之若宗匠の16代家元ご継承に対してお祝いを述べ、今後の両国の友好のため裏千家と中国芸術研究院とのますますの交流を提案されました。短い時間の中で、静かな中にも互いの気持ちが通い合う席となりました。

  一行は京都滞在中に、山田啓二・京都府知事、桝本ョ兼・京都市長を、また東京では河村建夫・文部科学副大臣(裏千家淡交会萩支部顧問)を表敬訪問し、短い日程を最大限に利用しての訪日でした。