中国の曹国防部長一行が来庵
〜千 玄室大宗匠が一碗でおもてなし〜




  来日中の中華人民共和国・曹剛川国防部長(中央軍事委員会副主席、国務委員)が、9月1日午後今日庵を訪問、千 玄室大宗匠が一碗のお茶を呈されました。

  この度の訪問は、曹部長の入洛にあたり中国大使館からの依頼により実現したものです。午後4時、曹部長、王毅駐日本国特命全権大使、羅田廣大阪総領事はじめ一行が今日庵兜門前に到着。
  大宗匠が出迎えられ、「どうぞ『平和の門』をお通りください」と導かれて兜門をくぐられ、路地、梅の井等を見学しながら、茶室・咄々斎へ。




  大宗匠が点じられた一碗を、曹部長は「おいしい」と初めて喫する茶の感想を述べられるとともに、抹茶の製法と成分等に大変興味を示されました。
  さらに、大宗匠が「お茶のルーツは中国であり、日本に伝えられて後は茶の湯として独自の文化を形作ってきました。武器を置かなければ入席できない茶室においては、身分の上下はなく互いに平等の関係なのです」と説明されると、平服姿の曹部長も感慨深げにうなずかれ、文字通り「平和の一碗」を介して和やかな一会が成されました。




  曹部長は、「生涯忘れられない一時を過ごせた」と感想を残し今日庵を後にされました。