中宮寺 献茶式
─ 千 宗室家元奉仕 ─




  奈良県生駒郡斑鳩町にある中宮寺において、4月24日、千 宗室家元の奉仕による献茶式が執り行われました。

  同寺は法隆寺夢殿の東にある聖徳宗の尼門跡寺院。聖徳太子が生母、穴穂部間人(あなほべのはしひと)皇后のために建立したと伝えられています。太子の宮居であった斑鳩宮を中心にして、西の法隆寺と対称位置に建てられました。都が平安京に移ってからは次第に寺運も衰退しました。鎌倉時代に多少は復興しましたが、戦国時代の戦火により寺は焼失しました。再建が叶わない状態が続き、江戸時代になり後伏見天皇の皇孫皇女が復興し、以後門跡尼寺として今日に至っています。

  当日、午前10時、家元は容子家元夫人とともに日野西光尊門跡らが参列する本堂に入堂され、本尊前に設えられた点前座にて、濃茶・薄茶二碗を謹点。国宝如意輪観音像(半跏思惟像)に手ずから捧げられました。





如意輪観音像に一碗を捧げられる家元



  献茶に際して、今日庵本席と高橋宗司氏による副席が本殿に、淡交会奈良支部(松久保秀胤支部長)の薄茶席が鳩和殿聖光庵に設けられ参会者に呈茶されました。


淡交会奈良支部席 高橋宗司氏担当席