最上稲荷献茶式
―千 宗室家元 奉仕―
〜緑滴るなか、厳かに〜




  5月13日、岡山市高松稲荷の最上稲荷総本山において、「鑽仰(さんごう)茶会」が行われ、千 宗室家元奉仕により献茶式が執り行われました。この茶会は、本殿の落慶を記念し、1980年から毎年約3000人が参席する恒例の行事で、各家元による献茶が行われるほか、山内諸堂宇に茶席が設けられ、薫風に誘われるように訪れた人々を楽しませています。

  最上稲荷のご本尊は最上位経王大菩薩、その歴史は8世紀半ばにさかのぼり「龍王山神宮寺」として繁栄しましたが、豊臣秀吉の備中攻めの際の戦火で焼失後、慶長6年(1601)に再興され「稲荷山妙教寺」とし今日に至っています。「不思議なご利益をお授け下さる最上さま」親しまれ、伏見・豊川と並ぶ日本三大稲荷一つ。




  献茶式は午前10時、本堂にて開式。多数の来賓、裏千家淡交会会員はじめ一般参加者が見守る中、家元は、厳かに濃茶・薄茶を謹点され、稲荷日応貫主の手により本尊に捧げられました。

  献茶式に際して、裏千家により顕妙閣華光の間に薄茶席(岡山支部の池上宗艶氏)、寺務所1階ホールに立礼席(岡山支部の龍門宗玉氏)、本殿地下に薄茶席(倉敷支部の石井宗敏氏)が設けられ、献茶式を終えられた家元は、各席を廻られ和やかに一碗を喫されました。


薄茶席(岡山支部 池上宗艶参与担当) 立礼席(岡山支部 龍門宗玉参与担当)


薄茶席(倉敷支部 石井宗敏幹事長担当)