筥崎宮献茶式
―千 玄室大宗匠奉仕―


  5月21日、福岡市東区の筥崎宮にて、千 玄室大宗匠奉仕による献茶式が執り行われました。
  筥崎八幡宮とも称する同宮は、大分県の宇佐神宮、京都府の石清水八幡宮とともに日本三大八幡宮に数えられ、応神天皇(八幡祭神)を主祭神として、応神天皇の母君・神功皇后(じんぐうこうごう)、神武天皇の母君で海の神とされる玉依姫命(たまよりひめのみこと)が祀られています。
  延喜21年(921)、醍醐天皇が神勅によりこの地に壮麗な御社殿を建立し、延長元年(923)筑前大分(だいぶ)宮(穂波宮)より遷座したことが始まりと伝えられ、正月の(たま)(とり)(さい)や秋の放生会(ほうじょうや)大祭など、福博の四季を彩る杜として広く親しまれています。
  同宮での献茶式は、今年で40回目を迎えました。

  午前10時、大宗匠は拝殿に進まれ、濃茶・薄茶二碗を謹点、ご祭神に捧げられました。




  献茶式に際して、筥崎宮社務所に清原宗皓氏担当の濃茶席、福岡茶道会館に博多支部名誉師範(緒方宗豊氏・船津宗康氏・熊井宗理氏・佐藤宗枝氏)担当、筥崎宮儀式殿に福岡支部名誉師範(山下宗美氏・亀山宗珠氏・豊嶋宗節氏)担当の薄茶席が設けられ、参列者に一碗が振舞われました。


濃茶席(清原宗皓氏担当)


薄茶席(博多支部名誉師範担当) 薄茶席(福岡支部名誉師範担当)





福岡今日会


  大宗匠は、同日午後から福岡山の上ホテルで開催された福岡今日会に臨まれました。
  開会に先立ち、大宗匠が命名、扁額を寄贈された同ホテル内にある福岡銀行所有の茶室「福栄庵」の茶室披きが行われました。
  この茶室は、福岡銀行が同行の施設として改装を行い、昨年12月から再び利用されるようになったものです。




  福岡今日会の冒頭で挨拶された谷 正明会長(福岡銀行頭取)は、「福栄庵」命名、扁額寄贈に対する謝意を述べられ、この茶室が福岡銀行のみならず地域の文化拠点としての役割を担うことに期待を示されました。
  続いて、大宗匠が登壇。「福岡は、昔からお茶が大切にされていた土地柄です。皆さんも、是非一碗のお茶を楽しんでいただきたいと思います」と語られました。