筥崎宮献茶式
―千 玄室大宗匠奉仕―




  5月19日、福岡市東区の筥崎宮にて千 玄室大宗匠奉仕による献茶式が執り行われました。
  同宮は筥崎八幡宮とも称し、大分県の宇佐神宮、京都府の石清水八幡宮とともに日本三大八幡宮に数えられ、応神天皇(第十五代天皇)を主祭神として応神天皇の母君・神功皇后じんぐうこうごう、神武天皇の母君で海の神とされる玉依姫命たまよりひめのみことが祀られています。
  鎌倉中期、蒙古襲来(元寇)のおり、俗に云う神風が吹き未曾有の困難に打ち勝ったことから、厄除・勝運の神としても有名で、足利尊氏、豊臣秀吉など名だたる武将が参詣、武功・文教にすぐれた八幡大神の御神徳を仰ぎました。




  午前9時、拝殿に入殿された大宗匠は、濃茶・薄茶二碗を謹点、ご祭神に捧げられました。
  献茶式に際して、筥崎宮儀式殿に川下宗鶴氏(博多支部副幹事長)担当の濃茶席が、福岡茶道会館に名和宗茂氏(福岡支部副幹事長)担当の薄茶席が設けられ、参列者に一碗が呈されました。


濃茶席(川下宗鶴氏担当) 薄茶席(名和宗茂氏担当)


福岡今日会


  同日午後4時30分より、福岡山の上ホテル「瑞雲の間」において福岡今日会の第21回例会が開催。例会に先立ち、大宗匠と会員方は昨年茶室披きをした同ホテル内の「福栄庵」の呈茶席で一碗を楽しまれました。
  谷正明福岡今日会会長の挨拶に続いて大宗匠が講話をされ、「人前で点前をする時に、点前手続きのみに捉われていては、客に対する意識が疎かになります。基本をしっかりと身に付け、心にゆとりを持つことが大切です」と述べ、社会での対人関係においてもゆとりが重要であると説かれました。また、茶道が中国・韓国などの影響を受けながら形成された経緯を紹介し、「もう一度、日本の歴史を振り返り、近隣のアジア諸国とより団結していくことが大事」とも訴えられました。




  講話終了後には懇親のひと時も設けられ、大宗匠を囲んで和やかな会となりました。