有馬大茶会・善福寺献茶式
―千 宗室家元奉仕―




  11月2日、有馬善福寺(神戸市北区)において、千 宗室家元の奉仕による献茶式が執り行われました。
  有馬温泉郷の落葉山(おちばやま)の麓に位置する同寺は、奈良時代に行基が開基した法相宗の寺を仁西上人が再興し、17世紀初頭に太清宗潅の本願により曹洞宗に改められたといわれています。
  太閤秀吉公は有馬温泉を度々訪れて利休居士達と茶会を催し、あるいは地元の人を招いて有馬の風流を楽しんだと伝えられています。この故事にちなんで、太閤を偲びつつ茶の湯の心と有馬温泉の自然を味わい楽しむ有馬大茶会が昭和25年11月から始まり、本年、第60回目の記念すべき年を迎えました。
  午前10時、本殿に入られた家元は濃茶・薄茶二碗を謹点し、有馬温泉興隆の基礎を築いた豊臣秀吉公の霊位に対して捧げられました。




  有馬大茶会に際して、有馬グランドホテル雅中庵に阪神支部 松本宗川氏担当の薄茶席、念佛寺に大阪南支部 林宗由氏担当の薄茶席、瑞寶寺公園に神戸第一支部 大井宗紅氏担当の立礼席が設けられ、参列者に一碗が呈されました。


薄茶席(雅中庵) 薄茶席(念佛寺)


立礼席(瑞寶寺公園)