法然院献茶式
−千 宗室家元奉仕−




  10月28日、法然院(京都市左京区)において、千 宗室家元の奉仕による献茶式が執り行われました。
  同院は延宝8年(1680)、知恩院第三十八世の萬無(ばんぶ)和尚が法然上人ゆかりの地に念佛道場を建立することを発願し、弟子の忍澂(にんちょう)和尚によって伽藍の基礎が築かれたことが始まりとされます。境内には名水「善気水」が湧きいで、また谷崎潤一郎や河上肇などの著名な文化人のお墓があることでも有名です。現在は社会貢献活動の一環としてアーティストの発表やシンポジウムの会場として寺を開放し、多くの市民に親しまれています。

  午前10時、家元は伊住公一朗氏とともに本堂に入られ、濃茶・薄茶二碗を謹点、ご本尊に捧げられました。




  献茶式に際して大書院に今日庵担当の本席が設けられ、参列者に一碗が呈されました。

  献茶式に続いて家元は梶田真章貫主と対談。家元は梶田貫主との思い出に触れつつ、「お茶を点てる際には、一手間かけることで味わいが変わります。それは人間関係も同じです。手間をかけることを厭わないでください」と語りかけられ、献茶式からの参列者は二人の言葉に熱心に聞き入りました。