伊木三猿斎公賛仰献茶式
―千 玄室大宗匠奉仕―




  2月28日(火)、後楽園(岡山市北区)において、伊木(いぎ)三猿斎(さんえんさい)公賛仰の献茶式が千 玄室大宗匠の奉仕により執り行われました。
  伊木三猿斎((ただ)(すみ))は岡山藩筆頭家老として、幕末から明治維新の困難な時期に藩政の指揮を執る一方、十一代玄々斎宗室に傾倒して、自邸内に利休堂、寒雲亭写、大炉の間写などの茶室を構えるという、裏千家と深く関わりのあった茶人でした。また現在大徳寺山門金毛閣に安置される利休居士立像は、三猿斎没後に大徳寺に寄贈されたものです。五年前に三猿斎と玄々斎の遺徳を偲び、その菩提寺である少林寺(岡山市中区)において淡交会東中国地区(若林昭吾地区長)主催による奉茶式が執り行われました。今回は大宗匠奉仕による後楽園での献茶式となったものです。
  午前11時、伊木家二十代当主伊木康通氏(岡山支部顧問)夫妻列席のもと、大宗匠は能舞台に進まれ濃茶・薄茶二碗を謹点し、祭壇の伊木三猿斎公、玄々斎精中宗室居士に捧げられました。




  献茶式に際して、鶴鳴館に津山支部(戸室敦雄支部長)担当の濃茶席が、鶴鳴館本館に尾道支部(三宅敬一支部長)担当の薄茶席が、能舞台横の「墨流しの間」に青年部東中国ブロック・東中国地区学校茶道連絡協議会による立礼席が設けられ、参列者に心のこもった一碗を呈しました。


濃茶席(津山支部担当) 薄茶席(尾道支部担当)


立礼席
(青年部東中国ブロック・東中国地区学校茶道連絡協議会担当)