東大寺献茶式
―千 玄室大宗匠奉仕―




  5月3日(木)、華厳宗大本山東大寺(奈良市)において、千 玄室大宗匠奉仕による献茶式が執り行われました。この日は聖武天皇の佐保山南陵に東大寺一山の僧侶が参拝する「山陵祭」に当たり、僧侶たちが山陵から大仏殿に戻り、献茶が始まります。
  同寺は、聖武天皇が皇太子(もとい)親王の菩提を修するため神亀5年(728)に建立した(こん)(しょう)山寺(さんじ)をその始まりとします。天平15年(743)天皇により「盧舎那(るしゃな)大仏造(だいぶつぞう)(けん)(みことのり)」が近江の()()(らき)(みや)で出され、造立が始まりますが一時中断、平城京の金鐘山寺の地にて再開されることになりました。天平20年ころには「(ぞう)東大寺司(とうだいじし)」という東大寺建設のための役所が設置。大仏が完成した天平勝宝4年(752)大仏(だいぶつ)開眼(かいげん)供養会(くようえ)が行われ、東大寺は(ちん)()国家(こっか)の中心寺院となります。
  午前11時、大仏殿に入られた大宗匠は社団法人奈良県茶業会議所より奉納された新茶を挽かれた後、濃茶・薄茶二碗を謹点し、ご本尊に捧げられました。




  献茶式に際して、本坊奥殿に今日庵担当の拝服席、大仏殿西庭集会所に上山雅正氏(淡交会参事補・愛知第二支部副支部長)担当の薄茶席、真言院境内の勧学院に上野道善氏担当の東大寺席、大仏殿東回廊に奈良支部青年部連絡会担当の立礼席が設けられ、参列者に一碗が呈されました。


拝服席(今日庵担当) 薄茶席(上山雅正氏担当)


東大寺席(上野道善氏担当) 立礼席(奈良支部青年部連絡会担当)